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エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド(Eric Clapton & Steve Winwood)@横浜アリーナ

エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド(Eric Clapton & Steve Winwood)@横浜アリーナ

懐メロ感漂うライヴになるのではという予測もしていたのだが、予想以上に素晴らしいライヴだった。

強い雨が降りしきる中を入場。予定より10分ほど経ったところで開演となり、バンドメンバーが先に登場する中最後にが姿を見せた。ブラインド・フェイスの『Had to Cry Today』でスタート。クラプトンが向かって右でギターを弾き、スティーヴがその左に並んでギターを弾きながら歌いあげる。さすがに高音はキツそうだったが、CDで聴き親しんできた歌声だ。

続いてスティーヴはオルガンに回り、『Low Down』『After Midnight』となる。クラプトンはお馴染みのストラトキャスター「ブラッキー」を弾いていて、そのギターさばきは未だに錆びついていない。そしてスティーヴは、ワタシのイメージではギターよりも鍵盤の方がしっくりくる。バンドは、ドラマーのスティーヴ・ガッド、キーボードのクリス・ステイントンは、過去にクラプトンバンドとして来日済み。ベースはウィリー・ウィークスという黒人、そして2人の女性コーラスという編成だ。

そして、『Presence Of The Lord』だ。最初にスティーヴ、次いでクラプトン、そして最後は2人でといった具合でヴォーカルを分け合い、終盤はクラプトンのギターが唸った。この後『Well All Right』『Can't Find My Way Home(アコースティック)』と、とにかく、ブラインド・フェイスの曲をナマで観られたのが、たまらなく嬉しかった。再結成クリームはとニューヨークだけで、来日はなかったしね。

このライヴの特徴は、カヴァーが頻繁にあることだ。マディ・ウォーターズの『Hoochie Coochie Man』や『Georgia On My Mind』など。他にも、J.J.ケイルやロバート・ジョンソンなど、クラプトンが今や自分の曲のようにしてしまっている曲も披露。中盤は聴かせる曲で固め、そしてアコースティックへとシフト。クラプトンとスティーヴが椅子に腰掛けながらセミアコを弾き、ベースもアコースティックになっていた。『Wonderful Tonight』はどうやら日替わり曲のようで、おとといの札幌ではココは『Layla』だったらしい。

終盤は、スペンサー・デイヴィス・グループの『Gimme Some Lovin'』で、今なおスティーヴの代表曲のひとつ。コレは、8年前のでも演奏されていた。続くはの『Voodoo Chile』で、かなりの長尺に。本編ラストはクラプトン『Cocaine』だったが、間奏のギターソロはクラプトンだけでなくスティーヴも弾いていた。スティーヴを「ギタリスト」として認識できたというのも、このライヴの収穫のひとつだ。アンコールは、トラフィックの『Dear Mr.Fantasy』だった。

かつての曲やカヴァーが中心だったにもかかわらず、懐古的な空気にならなかったのは、2人をはじめとするメンバーの技量と表現力が素晴らしく、緊張感を帯びていたからだ。歌わずにギターに徹するクラプトン、ブラッキーからブラッキーに交換するクラプトン、オルガンと弾きながら歌うスティーヴ、ギターソロを披露したスティーヴ、等、興味深いシーンの連続だったように思う。

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