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トロン:アレス(少しネタバレ)

トロン:アレス

巨大IT企業の双璧、ディリンジャー社とエンコム社。ジュリアン・ディリンジャーCEOは、AIプログラムを現実世界に実体化させる技術により、AI戦士アレスを軍にデモンストレーション。しかし、実体化には29分というリミットがあることを伏せていた。

エンコム社のイヴ・キムは、共同CEOだった妹の死の悲しみを背負いつつ、社を創設したケヴィン・フリンが残したバックアップデータから、AI実体化のリミットを超える実験に成功する。ジュリアンはそのコードを奪取するため、アレスとその部下アテナにイヴの捕獲を命令する。

1982年公開『トロン』、2010年公開『トロン:レガシー』に続く3作目になる。過去2作はバーチャルな世界「グリッド」の中での攻防がメインだったが、今回は舞台が劇中の現実世界に。29分を経過すると、アレスやアテナ、バイクや兵器などは崩れてなくなってしまうが、グリッドで何度でも再生し、転送される。

アレスはイヴたちと接触するうちに感情が芽生え、やがてディリンジャーの命令に背いた行動をとる。一方で命令に忠実なアテナは、アレス殲滅の命令を受ける。アレスはエンコムのグリッドに閉じ込められてしまうが、そこでケヴィンと邂逅する。このシーン、今ではレトロ感が濃いが、それが逆に新鮮。つまり、本作は1作目へのオマージュが全開なのだ。

キャストは、アレスにジャレッド・レト、イヴはグレタ・リー、ジュリアンはエヴァン・ピーターズ、アテナはジョディ・ターナー=スミス。そしてケヴィンはジェフ・ブリッジスで、ただひとり3作すべてに出演している。

映像のクオリティの高さは、前作以上に素晴らしい。そして、ナイン・インチ・ネイルズが手がけた音楽もクオリティが高い。トレント・レズナー&アティカル・ロス名義で『ソーシャル・ネットワーク』『ドラゴン・タトゥーの女』などのサントラを手がけているが、今回はバンド名義。個人的には、『The Fragile』を進化させた世界観のように感じている。

映像は大多数がCGかと思いきや、実際に撮影もしている。パトカーが真っ二つに割れるシーンは、あらかじめ二つに切っておき、繋ぎ直して撮影したとのこと。市街地での決戦は、カナダはバンクーバーのダウンタウンを封鎖して撮影したのだとか。アレスたちのスーツの発光は、実際にスーツに埋め込まれているそうだ(以上パンフレットより)。

『トロン』から『トロン:レガシー』までが28年、それから本作まで15年。どちらも、決して短いインターバルではない。がしかし、ミッドクレジットでは続編を匂わせる描写がされていた。楽しみは、まだ続くと期待していいのかも。

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