ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Exile On Main St.(Super Deluxe Edition)』
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映像 キース・リチャーズ, ローリング・ストーンズ
ローリング・ストーンズが1972年にリリースした名盤『Exile On Main St.』が、2010年5月にデラックスエディションとして再発された。ワタシが買ったのは、CD2枚+アナログ4枚+DVDというスーパーデラックスエディションだ。アナログはプレーヤーがないので聴けないが、DVDはこのエディションにのみ付加されていたのだ。
ディスク1は従来のオリジナル盤、ディスク2が未発表曲や別バージョンなど11曲。このディスク2こそが、本盤のハイライトと思う。72年のリリースから漏れたのが不思議なくらいクオリティーの高い、『Plundered My Soul』。『Tumbling Dice』の原形と思われる、『Good Time Women』。キース・リチャーズのヴォーカルによる、『Soul Survivor』。『Title 5』は、日本盤のみの収録だ。漏れた理由はいくつかあるだろうが、もともとのオリジナルがアナログ2枚組というヴォリュームだったことが最大ではないかと思う(当時で既に「長すぎる」と批判されたそうだ)。また、これらは単なる蔵出しではなく、現在のメンバーによるレコーディング音源がオーバーダビングされているとのこと。ストーンズを離れてかなり経つ、ミック・テイラーが参加したという話もあるらしい。
そしてDVDの内容だが、この時期の映像作品3つを、それぞれ約10分のダイジェスト版として観ることができる。BBCで放送され既にDVD化されている、レコーディングを追ったドキュメンタリー『Stones In Exile』。ファンの間では有名な幻の映像で、72年ツアーのオフステージの乱痴気騒ぎを捉えた『Cocksucker Blues』。そして、2010年に日本武道館で上映された『Ladies And Gentlemen』だ。
激動の60年代をくぐり抜けたストーンズにとって、70年代はロックの王者への階段を登り、頂点に立ったディケイドだった。そう評価されるトリガーになったのがこのアルバムとツアーであり、38年の時を経てそのアナザーサイドが明らかになったのは感慨深い。そして、これまでなかなか「蔵出し」をしてこなかったストーンズが、やるからには最高のモノを提供しようとする、意地と誇りを感じさせる。2010年は、まるでストーンズがツアーしていたかのような1年だ。
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