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ロックバンドのあり方

Brian Wilson『Smile』

ロックバンドのあり方というか生き方には、さまざまな形があるのだということを、ふと思うことがある。

先日来日公演を終えたばかりのブライアン・ウィルソンは、もとはビーチ・ボーイズの中心メンバーだった。しかしブライアンは途中からツアー不参加を表明し、スタジオレコーディングに没頭。傑作を作り上げもしたが、やがて精神を病んでしまい、長きに渡って廃人のような生活を送っていた。そして現在は、ソロとしてツアーもレコーデイングも好調。

一方本家ビーチ・ボーイズは、音楽的な成長はとうの昔に止まってしまい、またメンバーが次々に亡くなってしまい、今やオリジナルはリードヴォーカルのみ。それでもバンドとしては存続している。つまりは、2通りのビーチボーイズが現在存在しているようなものだ。

2通りに分離ということでは、少し前までのピンク・フロイドとロジャー・ウォーターズも、似たような形態になっている。他にも思いつくままに挙げてみると、メンバーチェンジを繰り返し、また活動停止と再開を断続的に行っているキング・クリムゾンも、稀な例だろう。ドラマーの怪死によってバンド生命を絶たれたのは、レッド・ツェッペリンとザ・フーだ。両者はその後何度か一時的な再結成をし、特に近年のフーの活動ぶりには目覚しいものがある。

最近(といってももう20年選手になるが)最も劇的なバンド人生を送っているのは、なんと言ってもレッド・ホット・チリ・ペッパーズだ。脱退もしくは死亡によるメンバーチェンジを繰り返し、何度解散の危機を迎えたことか。しかし残りのメンバーはことごとくそれを克服し、近年の活動にはバンドが何度目かのピークに達していることを感じさせる。そして長いキャリアを誇りながら解散することなくずっと存続しているロック最長不倒バンドといえば、ローリング・ストーンズだ。

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