探偵物語
松田優作のテレビドラマの代表作と言えるのが、「探偵物語」だ。しかし、ワタシにとってのこの人はスクリーンの中の俳優で、テレビとなるとほとんど印象がない。「太陽にほえろ!」のジーパン刑事も有名は有名だが、ワタシはリアルタイムではないし、なにより殉職シーンしかイメージが沸かない。とはいえ、テレビで何度目かの再放送がされていたのを全話録画し、観たことがあった。
物語は一話完結で、優作演じる私立探偵の工藤が依頼人から受けた仕事をこなしつつ、警察や街の裏の世界に生きる者たちと絡んでいくというものだ。長身に黒づくめの衣装で一見コワモテだが、そのくせ妙にコミカルな「間」を持っているのが、ここでの優作だ。それが作品としてのテンポのよさにもつながっているように見て取れ、後年模倣されまくっているのもうなずける。永瀬正敏主演の「濱マイク」も、この作品へのオマージュという要素があったのではないか。
そしてびっくりしたのは、あまりにも豪華なゲスト陣だ。第一話に登場する熊谷美由紀は後の夫人だし(恐らくここでの共演がきっかけになったはず)、中尾彬や峰竜太など、挙げたらきりがない。優作主演の映画は、大物が脇を固める傾向が強いが、テレビでもそれは生きていたのだ。
関連記事
-
探偵物語(1983年)
アメリカ留学を控えた女子大生の直美は、中年男性に尾行されていることに気づく。男は探偵の辻山で
-
ひとごろし(1976年)
剣豪の仇討ちを名乗り出た武士の六兵衛は、実は臆病者で剣もまともに使えない、町の笑い者である。
-
華の乱(1988年)
歌人の師匠でもある与謝野寛に恋い焦がれていた晶子は、同僚の山川登美子を出し抜いて寛と結ばれ、
-
人間の証明(1977年)
赤坂の高層ビルエレベーターの中で、ナイフで胸を刺された黒人青年が倒れ、まもなく死亡。殺人事件
-
あばよダチ公(1974年)
刑期を終えて出所した猛夫は仲間の梅、雅、竜とつるむが、キャバレーで無銭飲食してひと騒ぎして留
- PREV
- 俺達に墓はない(1979年)
- NEXT
- 007 慰めの報酬(2008年)