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ソー:ラブ&サンダー(少しネタバレ)

ソー:ラブ&サンダー

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと行動を共にし宇宙に繰り出して自分探しをしていたソーは、戦いによって傷ついた幼馴染みのシフから、ネクロソードに取りつかれたゴアが、全ての神々を殺そうとしていることを知る。

コーグと共に地球の新生アスガルドに向かったソーは、ヴァルキリーと合流しゴアに対抗。そこへ、ヘラによって粉々にされたはずのムジョルニアが飛び交うのを見る。手に取っていたのは、かつての恋人ジェーンだった。

・シネマティック・ユニバース(MCU)において、アイアンマンやキャプテン・アメリカが退場し、も一段落ついた現在、単体ヒーロー作品の4作目は最長になる。時間軸としては『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後になるが、もちろん『マイティ・ソー』の世界観を継承している。

その最たるが、ソーの元恋人ジェーン・フォスターの復帰だ。ふたりの交際は終わりを告げていて、前作『バトルロイヤル』以降は未登場だった。それが、彼女がガンのステージ4で手の施しようがない状態というまさかの展開。彼女は医学の力ではなくムジョルニアに打開策を求め、そしてマイティ・ソーとして復活する。

キャストは、ソーの、ジェーンの、ヴァルキリーのテッサ・トンプソンはもちろん続投。ソーは『エンドゲーム』では肥えまくっていたが、今回は鍛え上げていて、丸太のような上腕をはじめ肉体美が凄まじい。あまりに凄いので、ホンモノではなくCG加工しているのでは?と疑いたくなるくらい。

ナタリー・ポートマンは久々のMCU出演で、人間のときは髪の色がブラウンだが、マイティ・ソーになるとブロンドになっている。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のキャプテン・カーター然り、ヒーローを支えるポジションにいた女性も超人的な戦闘能力を得るという展開は、いい意味でアメコミだなと思う。

『バトルロイヤル』から登場しているクロナン人のコーグは、本作の監督も務めているタイカ・ワイティティ。岩石状の肉体は中盤で失い顔面だけになってしまうが、ソーやヴァルキリーをサポートし続ける。

「神殺し」ゴアは、。MCUではこれまで数多くのヴィランがいたが、後発での登場にもかかわらずインパクトは絶大。ネクロソードを手にしてからは全身白塗りになり、狂気と怒りに満ちた表情はそれまでのヴィランに劣っていない。クリスチャン・ベールの怪演ぶりは、相変わらずすごい。

劇中の設定では、アスガルド人は北欧神話の神として崇められていることになっているが、ソーやロキたちは地球人と同じ目線で描かれていて、神というイメージは薄かった。それが、本作では冒頭でゴアが下級の神を殺し、中盤ではソーたちが軍団の加勢を求めてゼウスに謁見。人と神の境界が、いよいよあいまいになってきている。

そのゼウスは、宴のことばかりを考える堕落した神になっていて、あららという感じ。演じるのはラッセル・クロウだが、肥えた老人姿で、エンドロールで見るまでわからなかった。

ガンズ・アンド・ローゼズの曲がかかりまくりだ。予告編では『Sweet Child ‘O' Mine』が流れていたが、劇中では『Welcome To The Jungle』も『Paradise City』も流れていて、おまけにヘイムダルの息子がアクセルを自称している。やりすぎだろ。

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