エイリアン2 完全版(1991年)
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エイリアン ジェームズ・キャメロン
SFホラーの傑作映画「エイリアン」。その続編「2」は1986年に公開されたのだが、17分のシーンが付加された完全版が1991年にリリース。ワタシは劇場公開版はまさにリアルタイムで劇場で観ていたのだが、完全版はビデオで観た。
前作のラスト、ただひとり生き残ったリプリーは脱出カプセルに乗り自らを冷凍睡眠させる。しかしリプリーが拾われたのは、なんと脱出から57年後だった。折しも、植民惑星との連絡が途絶え、そこにエイリアンの痕跡があるらしいとのことから、リプリーは調査団に加わって現地に乗り込むことに。ただひとり生き残った少女ニュートを保護する一方、徐々に明らかになるエイリアンの存在に、調査団は恐怖する。
さて、気になる完全版で追加になったシーンだが、まず序盤に重要なシーンが挿入されている。リプリーには娘がいたことが明らかになり、しかしリプリーが救出されたのが前作から57年後であったため、娘は66歳で亡くなったことがリプリーに知らされるのだ。これは、作品全体の色を大きく変えてしまう要素だと思っている。つまり、劇場公開版ではエイリアンの恐ろしさを知ると同時にエイリアンに抗しうる術を知る存在という印象のみが強かったのが、人として、というより「母」としての存在をも含むようになったのだ。だからこそニュートを保護し優しく接するシーンが、一層引き立ってきている。
前作はホラー色が濃く、「2」劇場版はアクション色が濃かったのが、「2完全版」にしてヒューマンな要素が加わったように思える。他には、ニュートの親がエイリアンに襲われるシーン(これも序盤)、終盤にはヒックスとリプリーが互いのファーストネームを教えあうシーンなどがある。リプリーはシガニー・ウィーバー、ヒックスはマイケル・ビーン、監督は「ターミネーター」などのジェームズ・キャメロンである。またウィキペディアによると、66歳で亡くなったリプリーの娘の写真は、シガニー・ウィーバーの実母だそうだ。
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