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ウォルター・ベッカーさん(Walter Becker)死去

公開日: : 最終更新日:2017/09/14 Steely Dan

Steely Dan『Aja(彩)』

スティーリー・ダンのウォルター・ベッカーさんが3日に亡くなられた。67歳だった。一週間が経ったが、死因は公表されていない。

ベッカーさんはドナルド・フェイゲンと出会い、スティーリー・ダンを結成。当初はバンド編成で音楽もポップだったが、徐々にスタジオレコーディングの完成度の高さを目指すようになり、他のメンバーは脱退。フェイゲンとベッカーさんのユニットとなり、必要に応じて凄腕ジシャンを呼ぶ形態に変わって行った。81年に解散している。

1993年、フェイゲンのセカンドソロアルバムをベッカーさんがプロデュースしたことがきっかけになったのか、突如スティーリー・ダンが再編する。

フェイゲンがキーボードとヴォーカル、ベッカーさんはギターという役回りだった。スティーリー・ダンの曲に鍵盤や管楽器のイメージはあっても、ギターのイメージは正直言ってあまりない。ギタリストといえば多くのバンドでは花形だが、目立たず控え目なところこそ、ベッカーさんの持ち味であったのかもしれない。

個人的には、スティーリー・ダンのライヴを1994年に2回、1996年に1回、観に行っている。このときはライヴバンドのイメージがなかったし、そもそも再結成するとも思っていなかったので、日本に来ることは事件と思い会場に足を運んでいた。音楽としては、前期のバンドサウンドももちろんいいが、後期の完成度を追求する方がやはり好きだ。はじめて買ったのは『Royal Scam/幻想の摩天楼』、最も好きなアルバムは『Aja(彩)』だ。

まずはライヴによって再生を果たしたスティーリー・ダンは、2000年には新作をリリースし、グラミーも受賞し、そしてそれ以降精力的にツアーもおこなっていた。70年代にはライヴ嫌いとされていたのが、嘘のような活動ぶりだった。言わば「両輪」のひとつだったベッカーさんが亡くなったことで、スティーリー・ダンとしての活動を続けるのは難しいと思う。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

今月、ドナルド・フェイゲンはソロとして来日する予定。ベッカーさん追悼の意味合いも帯びてくるのではないだろうか。

【9月13日追記】
スティーリー・ダンが秋の北米ツアーを発表。ドナルド・フェイゲンは、ベッカーさん追悼コメントにて、スティーリー・ダンを続行させる表明もしていたとのこと。

【9月14日追記】
ドナルド・フェイゲン急病により、ソロツアーがキャンセル。今月予定されていた単独公演は中止。ヘッドライナーとしてブッキングされていたブルーノート・ジャズ・フェスティバルは、フェスごと中止に。あらら。

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