坂本龍一「コンサートリマスター版」
坂本龍一の87年と88年のライヴが、以前BSで放送されたことがあった。
【NEO GEO ~1987.7.19 NHKホール~】
アルバム『NEO GEO』に伴うツアーで、バンドスタイルだ。ドラムにはABCのデヴィッド・パーマー、ギターはセッションミュージシャンの窪田晴男、ゲストヴォーカルにはバーナード・ファウラーという、かなり豪華なバックだ。
沖縄歌唱の女性3人も擁し、音楽的にはバラエティに富んでいる。坂本はオレンジのスーツ姿で、自らヴォーカルを取ったり手を振ったりしている。後年のどっしり構えてピアノを弾く姿を思うと、この人も30代ではアグレッシブだったと思わされる。
【SAKAMOTO PLAYS SAKAMOTO(1988年4月10日)】
アカデミー賞授賞式の前日にNHKホールで行なわれた、坂本にとっての初の大規模オーケストラコンサートになる。『ラストエンペラー』『戦場のメリークリスマス』などの映画音楽やソロ曲を、オーケストラ仕様に自ら書き直したとのこと。
90年代以降は坂本とオーケストラとのコラボレーションはお馴染みになるが、この公演はその原点的な位置づけと思われる。映像は坂本以上に指揮者を捉えることの方が多いが、坂本に切り替わるときは鍵盤の指の動きまでクローズアップされることがあった。
この翌日に渡米した坂本は、『ラストエンペラー』でアカデミー作曲賞を受賞する。
87年公演は2024年に再発されたアナログ盤にブルーレイとして同梱されている。88年の公演は、同年暮れにライヴアルバムとしてリリースされている。
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