ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男
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ゴッドファーザー アル・パチーノ, ファンタスティック・ビースト, フランシス・フォード・コッポラ, マイルズ・テラー, マーロン・ブランド
大作映画『ゴッドファーザー』製作の舞台裏を描いた、全10回のドラマを観た。
マフィアを描いた小説『ゴッドファーザー』がベストセラーとなり、パラマウント映画が映画化の権利を獲得。新任プロデューサーのアルバート・S・ラディは、ニューヨークの大物マフィアのひとりジョセフ・コロンボと友好関係を築きつつ、監督や俳優のキャスティングを進める。
ラディは何度も脅しに遭うが、コロンボが劇中「マフィア」のことばを使わないことを条件にバックアップを約束。一方、パラマウントの親会社は、高額の制作費を使い芸術性を追求する姿勢をよく思わず、妨害を繰り返す。ラディは次々に降りかかる問題をクリアしていき、作品は公開を迎える。
『ゴッドファーザー』は何度か観ているので、完成され世に出た作品を知った上で観るとかなり面白い。監督にフランシス・フォード・コッポラ、ヴィトー・コルレオーネにマーロン・ブランド、マイケル・コルレオーネにアル・パチーノと、キャスティングが決まっていくさまだけでわくわくする(オーディションで決まったと聞いたことがあったが、本作ではオファーで決まったように見える)。
レストランでマイケルが一線を超えるシーン、シチリアでのロケなど、重要な場面は制作側から再現されている。美術スタッフによって作製された馬の首があまりにも粗末で使い物にならなかったが、コロンボの部下がリアルな馬の首を手配。使われるのは『ゴッドファーザーPART2』になるが、既にやりとりがあったのは興味深い。
原作でマフィアと関係の深い歌手が登場するが、フランク・シナトラが自分のことだろうと脅してくる。コロンボはラディに理解を示すが、多くのマフィアは反発。ラディは、テーマは家族で、マフィアを安っぽくは描かない、誇れる作品にすると何度も説得に走る。恐らくだが、それまでの映画ではマフィアは軽く・安っぽく扱われていたと思われる。
パラマウントのトップや親会社が反発するのは、コッポラはこの時点で実績に乏しく、マーロン・ブランドは落ち目、アル・パチーノはまだ無名という状況もあったからだ。つまり、『ゴッドファーザー』の成功によってコッポラとアル・パチーノは名をあげ、ブランドは復活した。
ラディの手記をもとに制作され、恐らくほぼ全員が実名でキャスティングされている。ワタシがわかったのは、ラディのマイルズ・テラー、コッポラのダン・フォグラー(『ファンタスティック・ビースト』シリーズのジェイコブ)。ラディの優秀な秘書ベティはジュノー・テンプルで、映画監督ジュリアン・テンプルの娘だそうだ。
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