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頭脳警察Episode Zero-悪たれ小僧の前奏曲

頭脳警察Episode Zero-悪たれ小僧の前奏曲

PANTAによる、自伝的私小説を読んだ。高校時代から、頭脳警察結成までをフォロー。バイクを盗んだ濡れ衣を着せられて警察の取り調べを受け、高校を自主退学して転校するところから始まり、両親や友人、教師、恋人など、交遊関係が描かれる。

やがて音楽への芽生えからバンド結成となり、ホリプロのオーディションを受けて合格するも、グループサウンズとして売り出そうとする事務所に反発。結局、そのバンドはデビューすることなく解散。その後メンバーチェンジを経て、頭脳警察としてデビュー。日劇ウエスタンカーニバルのステージに向かうところで幕となっている。

ノンフィクションともドキュメンタリーとも言っておらず、私小説とのこと。記憶は自分の都合のいいように改竄されると自ら前置きしているので、どこまでが本当でどこからが創作した話なのかは、読む側のイマジネーションに委ねられている。バンド名や曲名はそのままだが、いくつかの人名や団体名は置き換えられている。PANTAの本名は「中村治雄」だが、ここでは「滝野ハルオ」。通っていた大学は「西関東大学」とされているが、恐らく関東学院大のことだ。ホリプロも、星プロになっている。

PANTAが大学時代に組んでいたバンドがアロウズというバンドと対バンし、アロウズの方が上手いことをPANTAも認めていたのだが、そのアロウズのドラマーが技術だけでなく型破りな奴で、「アロウズのトシ」とされていた。対バンの辺りでは何とも思わずに読んでいたが、話が進むにつれて2人は接近するようになり、この人がTOSHIすなわち石塚俊明なのだと気づいた。

過激なイメージのつきまとう頭脳警察だが、この本を読む限り、そのスタイルができるのは頭脳警察としてデビューする直前だ。それ以前のバンドでは、ビートルズやローリング・ストーンズ、スペンサー・デイヴィス・グループなどをコピーしていた。頭脳警察というバンド名はフランク・ザッパの曲名を元に名づけられているが、PANTA自身は当時の洋楽を割と幅広く聴いている。また、PANTAが当初弾いていたのはギターではなくベースで、時にはドラムもこなしている。

「Episode Zero」ということは、この続きはいつか世に出るのかな。

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