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ダークナイト(2008年)

ダークナイト(2008年)

ゴッサムシティで、日々犯罪者と戦うバットマン。ゴードン警部と新任検事ハービー・デントと共に資金洗浄の摘発を行い、犯罪者を一掃せんとする。仮面もかぶらず正面から勝負するハービーを認めるブルース・ウェインは、ハービーこそがゴッサムシティのヒーローでホワイトナイト(光の騎士)と思い、バットマンの引退を考える。また、ブルースの幼馴染みで検事のレイチェルの心は、現恋人ハービーとブルースとの間で揺れ動いていた。

一方、口が裂けピエロのようなメイクをした男ジョーカーは、白昼堂々銀行強盗を行い、バットマンが素顔を出さなければ犯罪行為を続けると挑発。資金洗浄により弱体化したマフィアを束ね、市長をかばったゴードンを殺害したかに思われた。ゴードンは家族に被害が及ぶのを防ぐために身を隠していて、ハービーが自ら囮となってジョーカーを逮捕。しかしジョーカーは難なく脱走し、更には汚職にまみれた警官を使ってハービーとレイチェルを別々に監禁し、爆死させようとする。

結局レイチェルは爆発で死んでしまい、ハービーも命はとりとめたが顔の左半分が焼けただれてしまう。当初はジョーカーをうらんでいたハービーだが、正義よりも運の方が公平という極論に至り、焼けた顔への皮膚移植も拒否してトゥーフェイスとなり、レイチェルを守れず腐敗した警官に対し私刑を執行する。

バットマン・ビギンズ」は劇場で観たが、「ダークナイト」はビデオが初見。正確には、劇場にまでは足を運んだのだが、チケット売り場が大混雑していて、その日朝1回しかなかった上映時間に間に合わないため、断念したのだった。バットマンほど日米格差のあるキャラクターはいないと思っていて、ヒース・レジャーの死とアカデミー賞獲得により本作は日本でも認知されるようになったが、劇場公開時はそれほど話題にもなっていなくて、すぐさま回数を減らされるありさまだったのだ。

そして、これはすごい作品だ。ワタシが感じた、すごいと思うポイントは2つある。

ひとつは、ジョーカーのキャラクターと、演じたヒース・レジャーの怪演ぶりだ。実写バットマンでジョーカーとなると、まずはティム・バートン版のジャック・ニコルソンが思い浮かぶ。ヒースは、風格たっぷりなニコルソン版とは異なる、狡猾で不敵で、それでいてどことなく小洒落ている新たなジョーカー像を作り出すことに成功している。今作の完成を見ることなく急逝してしまったが、スクリーンに残した爪痕はあまりにも深かった。

もうひとつは、ハービーがトゥーフェイスへと変貌するところ。つまり、ホワイトナイトからダークサイドに落ちてしまう逆転劇だ。バットマンもゴードンも市民もレイチェルも認めていた男が、終盤では悪になってしまうのは衝撃的だったし、それがティム・バートン作ではトミー・リー・ジョーンズが演じていたトゥーフェイスへとつながっていくくだりは見事だった(原作に明るい人であれば、ハービーの名前を聞いた時点でピンときていたのかも)。

トゥーフェイスが転落死した後、市民にはハービーがホワイトナイトのまま死んだと思わせるため、バットマンがその罪を被るとゴードンに言い、その気持ちを汲み取ったゴードンは警官隊にバットマンを追いかけさせる。2人の間の、つかず離れずのやりとりもたまらなくいい。ハービーがホワイトナイト(光の騎士)なら、バットマンはダークナイト(暗闇の騎士)というわけだ。

主要キャストは、レイチェル役がマギー・ジレンホールに交代した以外は「ビギンズ」と同じで、ジョーカーは上述の通りヒース・レジャーが、またもうひとりのキーマンであるハービーはアーロン・エッカート(「世界侵略:ロサンゼルス決戦」「エンド・オブ・ホワイトハウス」に出演)が演じている。キリアン・マーフィー演じるスケアクロウも、序盤にちょこっとだけ登場している。

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