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オリエント急行殺人事件(ネタバレあり)

オリエント急行殺人事件(ネタバレあり)

1934年。フランス行きの列車オリエント急行に乗っていたエルキュール・ポアロは、一夜開けて乗客のひとりラチェットが殺害されるという事態に出くわす。鉄道会社のブークの依頼もあり、ポアロは捜査を開始。乗客に聞き込みをおこなうが、みなそれぞれにアリバイがあった。

アガサ・クリスティ原作で、何度も映像化されている作品のハリウッドリメイクになる。個人的に過去の映像を観たこともなく原作も読んでいない「まっさらな」状態で観たので、前半のフリや終盤の展開など、純粋に楽しむことができた。脳内では、シャーロック・ホームズや金田一耕助など、ワタシが過去に観たことのある探偵ものと比較していた。

ポアロは、とてもクセが強い。必ずしも好人物というわけでもなく、聞き取り中に結構相手の懐の中までずけずけと踏み込んでいくこともある。自らを「恐らく世界一の探偵」と称してもいる。オリエント急行に乗る前の、エルサレムでの朝食でゆでたまごの長さを測っては気に入らず作り直させるなど、独特のこだわりを持っている。

キャストはかなり豪華だ。ケネス・ブラナーがポアロを演じるほか、監督も務めている。殺害される富豪ラチェットは、ジョニー・デップ。乗客にはミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、ジョディ・デンチなど。つまり、主演クラスが揃っている。エンドロールでは、制作にリドリー・スコットの名を見つけた。

ケネス・ブラナーは、「ダンケルク」で観たときも思ったが、こんなに体格よくて老けた人だったかな、と思ってしまう。対象的にウィレム・デフォーは痩せ細っていて、役作りでそうしたのだろうか。ジョニー・デップやミシェル・ファイファーは、これまでのイメージの通り。デイジーはまずまず、ペネロペは口数少なく抑えた演技をしていて、目立たないが印象に残った。

映像の美しさには、目を見張るものがある。オリエント急行列車は完全CGかと思いきや、撮影のために実際に列車を作ったとのことだ。ハリウッドリメイクの意味は、ここにあったと思う。

犯人については個人的に超意外だったが、その後ポアロが取った処置は、警察ではなく探偵ならではのもの。ただ、深読みすればむしろより残酷な方を選んだとも思える。ポアロが下車した後、エジプトのナイルで事件があったとの話を地元警察から聞き、いったんは休暇中だと言って断ろうとしていたのが、目の色が変わった。そしてこれは、「ナイル殺人事件」への布石だ。

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