*

インセプション(2010年)

インセプション(2010年)

コブは、人の潜在意識に忍び込んでアイディアを盗むスパイ。あるとき、サイトーという企業のトップから、自らの身の解放と引き換えに。ライバル企業の解体を依頼される。コブは、妻モルの殺害容疑をかけられていた。コブは、依頼を遂行するためにチームを結成し依頼を果たそうとするが、潜在意識の中ではモルが何度も出没し、コブを苦しめる。

人の「夢」の中に潜り込み、その中の世界ならではの決まりはもちろんあるものの、まるで現実であるかのような世界観は、『トータル・リコール』『マトリックス』シリーズを思い起こさせる。空間が隆起するシーンにこそ度肝を抜かれはするが、この作品にはSFの匂いは薄く、ワタシたちの今ある世界の中で起こりえそうなこととして描かれていて、よりリアリティがある。『20世紀少年』のバーチャル・アトラクションの方が、イメージとしては近いかな。ラストは思わせぶりで、夢の中とも現実世界ともどちらの解釈もでき、少しもやもやした感じだ。

コブを、サイトーを渡辺謙が演じている。渡辺謙は、今やハリウッド俳優の日本代表のような存在だが、ディカプリオや他の俳優と対等に渡り合っている。ライバル企業の幹部役がトム・ベレンジャーだったが、老け役すぎてエンドロールを観て初めて気が付いた。

監督は。渡辺謙は『バットマン・ビギンズ』にも出演しているが、そこでの役柄はかなり微妙だったので、今回はなんだかほっとしている。他にもダークナイト・サーガに出演している俳優が多い。コブのチームメンバーにやジョセフ・ゴードン=レヴィット、妻モルにマリオン・コティヤール、サイトーのライバル企業の社長にと、今改めて見ると超豪華キャストだ。また、作中のギターはが担当している。

関連記事

ユリイカ 特集クリストファー・ノーラン

青土社が出版している、『ユリイカ』という雑誌がある。毎号、サブカルチャーから特定の人物や作品

記事を読む

『オッペンハイマー』を観た(ネタバレ注意)

『オッペンハイマー』を観た(少しネタバレ)

大学で教鞭をとる物理学者ロバート・オッペンハイマーは、米軍将校のグローヴスからマンハッタン計

記事を読む

インターステラー

インターステラー(ネタバレあり)

近未来。地球は荒廃し食糧難に見舞われている。元宇宙飛行士のクーパーは農業を営んでいたが、娘の

記事を読む

プレステージ(2006年)

19世紀のロンドン。2人の若きマジシャン、アンジャーとボーデンは、師匠カッターについて切磋琢

記事を読む

テネット(ネタバレあり)

テネット(ネタバレ注意)

ウクライナのオペラハウスを、テロ集団が占拠。テロを食い止めようとした特殊部隊に潜り込んでいた

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑