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スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013年)

スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013年)

テロ事件の犯人とされるジョン・ハリスンへの対抗策を練るべく、士官たちが召集されるが、その会議もジョンに襲撃され、主人公カークの理解者でもあったパイクが死んでしまう。地球と緊張関係にあるクリンゴンに逃げ込んだジョンを追い、カークとスポックはエンタープライズ号で追跡する。

2009年に公開された、J.J.エイブラムス監督のリメイク版スター・トレックの第2作になる。IMAX3Dで観たということもあるが、未来世界や宇宙を表現する映像の美しさ、戦闘シーンのすさまじさは臨場感に溢れている。

しかし、この映画がほんとうに描きたいのは、はるか先の未来のことではなく、今の世の中にも通じる、人と人とのつながりや、人の心の持ち方だと思う。

クリス・パイン演じるカークは艦長としての資質を問われ、部下を守れるかという命題を突きつけられる。副長でありカークの友人でもある、バルカン人と地球人のハーフであるスポックは、常に論理的思考に基づき、感情をほとんど表に出さない。序盤でカークは規則を破ってスポックを助け、スポックはそのことに納得せず、またカークは降格処分を受ける。しかし終盤、カークが自分の命と引き換えにエンタープライズ号と乗組員の部下を救ったことで、スポックに感情が沸き起こってくる。

今回、カークとスポックに並ぶ主人公格のキャラクターがいて、それはテロリストのジョンだ。ジョンは実は数千年前に遺伝子操作により超人的な能力を持つようになっていた。人工冬眠していたところを軍事利用で目覚めさせられ、復讐のためにテロを起こしている。そして、ジョンの本名はカーンだった。カーン?まさか!?

前回シリーズで1982年に公開された第2作が、「カーンの逆襲」だった。J.J.エイブラムスはただハイテクに走ったのではなく、前シリーズへのリスペクトを込めたのだと思う。そしてこのカーンを演じたのが、。冷酷で人類への復讐心をたぎらせているが、同じく人工冬眠させられた部下を想う気持ちは強く、魅力あるキャラクターに仕上がっている。「SHERLOCK」シリーズや「イミテーション・ゲーム」などで今や押しも押されもしない名優だが、このときのキャンペーンで初来日を果たしているはずだ。

サブタイトルの「イントゥ・ダークネス」とは、言わばスター・ウォーズでいうフォースのダークサイドの意味合いに近いのではと思う。強大な力を正しく使うか、権力誇示に使うか、私怨をはらすために使うか、これらは常に隣り合わせで、紙一重なのかもしれない。

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