「銀河鉄道999」50周年プロジェクト 松本零士展 創作の旅路

六本木ヒルズで開催されている、松本零士展を観に行ってきた。

入場ゲートをくぐると、999号の記念撮影ブースがお目見え。窓際には、映画『銀河鉄道999』からの星野鉄郎やメーテル、車掌、キャプテン・ハーロック、クイーン・エメラルダスの絵が飾られていた。BGMで、ゴダイゴによる映画主題歌が流されていた。訪問者が望む、最高の導入だ。

続いては作品の表紙がほぼ時系列順に展示され、プロデビュー作『蜜蜂の冒険』も。そして、それ以前の中学生時に書いた作品も展示されていた。徹底している。ここまでが、撮影可のブースだ。
以降は、漫画家としての歩みにテーマをつけつつ原画を展示。同世代の漫画家と同じく、手塚治虫『新寶島』を読んで衝撃を受けていた。初期のキャラクターは、手塚の影響を受けたかのようにまるっこいタッチで描かれていた。
やがて『戦場まんがシリーズ』や『宇宙戦艦ヤマト』『キャプテン・ハーロック』『1000年女王』といった代表作期に差し掛かり、この頃になるとアニメ化もされてくる。『ハーロック』アニメの企画書などもあり、自らも制作に関与していたことが伺える。
『銀河鉄道999』には、最大のスペースが用意されていた。原作は、メーテルと共に999号に乗る鉄郎が、停車する惑星で人と出会うのを、一話完結式で描いている。ワタシはすべてを読んではいないが、それでも覚えている話がいくつかあった。
母親を機械伯爵に殺され、メーテルと出会い999号に乗る第1話は、ほぼすべての原画が展示されていた。映画版にも適用されているガラスのクレアや盗賊アンタレス、惑星ベビーメルダーなどもピックアップされていた。映画版のラストシーンが、リピートされていた。
一時期は『ハーロック』『エメラルダス』『戦場まんがシリーズ』のいくつかなどは、単行本で所有していた。その原画を間近に観ることができる日が来ようとは、思ってもみなかった。宣材ポスターも、見覚えがあるものが多かった。
女性キャラや零士メーターなど、この人の特色をピックアップしたブースもあった。惑星が並ぶ宇宙空間を、繊細なタッチで描いているのは、今見てもすごいと思った。パソコンではなく、手描きだと思われる。
夫人は同じく漫画家の牧美也子で、この人の作品もいくつか展示されていた。一部は、松本が作画を担っていたようだ。そのふたりの結婚式招待状が展示されていたのは驚いた。漫画家らしく、「出席します」「欠席します」のどちらかにマルをつけるが、マンガのキャラが添えられていた。発起人が6人いたが、その中に手塚治虫の名前もあった。

関連記事
-
-
インターステラ5555
フランスの覆面テクノユニットであるダフトパンクと、日本漫画界の巨匠松本零士のコラボレートによ
-
-
北九州市漫画ミュージアムに行ってきた
個人的に、はじめて訪れる福岡。主目的は椎名林檎のライヴだったが、せっかくなのでいくつか観光もしてきた
-
-
松本零士の短編をアニメ化『ザ・コクピット』
松本零士が『戦場まんがシリーズ』として発表していた、オムニバス作品集がある。約50編の短編が
- PREV
- もののけ姫(1997年)
- NEXT
- レコード・コレクターズ、ブライアン・ウィルソン特集号
