ヨンシー（Jónsi）『Go Live』

ヨンシー来日にリンクするかのように、アルバム『Go Live』がリリース。ライヴCDとドキュメンタリーDVDの構成で、オリジナルの『Go』に匹敵、あるいはそれ以上とも言える素晴らしい作品であり、かつ昨夜あるいは他の日本公演を観た人にとっては、ライヴの追体験ができる格好のアイテムになる。

まずはライヴCDの方。3曲がイギリスのブライトンでの音源であるほかは、ベルギーのブリュッセル公演の音源を収録している。曲順は、昨夜観たライヴとほとんど同じと思われる。アルバム『Go』には収録されていない未発表曲も含まれていて、単なるライヴ盤の域を超えている。オーディエンスの歓声も収められていて、序盤では演奏を噛み締めるようなリアクションをし、中盤以降のエモーショナルなパフォーマンスには、エネルギーを分けてもらったかのように大きく反応している。ライヴに行った身としては、自分もこの中にいるような感覚を覚える。

DVDは、更に素晴らしい。こちらは、3月にロンドンのスタジオで行われた初ソロパフォーマンスで、限られた客を入れた、いわゆるゲネプロ的なライヴのように見える。ヨンシーと4人のバンドメンバーのパフォーマンスも可能な限り細かく捉え、そればかりか、バックドロップの映像もアップに。これ観た観た、というノリになる。メンバーが駆使していた鉄琴や鍵盤も、アップになっていた。ヨンシーはじめメンバーのインタビューもあり、シガー・ロスはほとんどをアイスランド語で歌っているが、ソロは全曲英語で歌っていると言った、ヨンシーのことばが結構重い。

ブックレットも必見。各地のツアーでのオフショット写真がふんだんに取り込まれている中、日本の写真もある。女性インタビュアーに答えているヨンシーや、なんと2000年サマーソニックのポスターも掲載。屋台っぽいところで飲んでいる写真もあった。

昨夜のライヴの完成度の高さから言って、ワタシはもしやという推測をしてしまったのだが、ライナーノ－ツによると、シガー・ロスを休止しヨンシーがソロ活動を行ったのは、ゲオルグとキャータンに子供が生まれて「産休」となったからだそうだ。なんだか、ほっとした。