*

ピンク・フロイド(Pink Floyd)(1)

Pink Floyd『The Piper at the Gates of Dawn』

そしてプログレとは何かと言えば、1曲1曲がやたらと長く、そしてキーボードを駆使してピコピコしたサウンドを延々と繰り広げるスタイル…なのだと、ワタシは長らく思い込んでいた。『原子心母』や『エコーズ』などはアナログの片面をまるまる使い切るほどのヴォリュームだし、同じコンセプトの曲をパート1/パート2と分けている曲も少なくない。フロイドが大作主義であることは、まず間違いがない。

ところが、フロイドには確かにリチャード・ライトというキーボード奏者はいることはいるが、キーボードが前面に出た作品というのはキャリア中ほんのわずかなのだ。フロイドはこれまでライヴを含む16枚のオリジナルアルバムをリリースしているが、キーボードが目立つのは、ファースト『夜明けの口笛吹き』と『原子心母』、それに『雲の影』くらいではないだろうか。

フロイドが目指したのは、メンバーが高度な演奏技術を誇り、インプロヴィゼーションでぶつかり合う演奏集団ではなく(はコチラだと思う)、映像や空間的なイメージを喚起させ、聴く者の想像力を刺激することであり、それをより強固にするためにコンセプトで塗り固めることをしていたのだと思う。往年のフロイドファンの方からすれば、そんなの分かり切ったことじゃんという感じなのだろうが、少なくともワタシはプログレという大まかなくくりの中で考え過ぎていた。

ピンク・フロイドは、プログレバンドというよりはむしろに近いロックバンドであり、そしてその手法は、今だとに継承されているような気がする。

関連記事

ピンク・フロイド(Pink Floyd)、ライヴ8で再結成

ピンク・フロイドが黄金期のメンバーで復活し、7月に行われるライヴ8に出演する、というニュース

記事を読む

ピンク・フロイド(Pink Floyd)『原子心母(箱根アフロディーテ50周年記念盤)Atom Heart Mother』

ピンク・フロイドが1971年にリリースしたアルバム、『Atom Heart Mother』。

記事を読む

ピンク・フロイド(Pink Floyd)のシド・バレット(Syd Barrett)さん死去

シド・バレットさんが亡くなった。死因は糖尿病で、60歳だった。 この人はピンク・フロイ

記事を読む

ピンク・フロイド(Pink Floyd)『Shine On』

ピンク・フロイドは、デビュー25執念記念で1992年に『Shine On』というボックスセッ

記事を読む

ピンク・フロイド(Pink Floyd)『永遠 コレクターズボックス』

2014年にリリースされたアルバム『The Endless River』は、ピンク・フロイド

記事を読む

S