*

ジャンパー(2008年)

公開日: : 最終更新日:2021/08/24 SF , ,

ジャンパー(2008年)

デトロイトに住んでいたデヴィッドは、川に溺れたのがきっかけで自分に瞬間移動=ジャンプの能力があることに気づく。しかしデヴィッドは、銀行から大金をせしめて悠々自適の生活を送るという、私利私欲のために使ってしまう。一方、ジャンパーの抹殺を使命とする組織パラディンは、デヴィッドの存在に気付いて追い詰めようとし、デヴィッドは偶然もうひとりのジャンパーであるグリフィンとも知り合う。

デヴィッドやグリフィンが行う瞬間移動は、現在の映像技術を以て視覚的にかなりすっきりと、かつ鮮やかに行われている。ジャンプする先もかなりの遠距離まで可能で、ニューヨークからエジプトやローマへと、瞬時に飛び回っている。東京でのロケも行われたと聞いていたが、渋谷や銀座の街中を歩くシーンや、新宿やレインボーブリッジをクルマで疾走するのを確認できる。

しかし、ストーリー的にはクオリティは低いと言わざるをえない。ジャンパー目線で描きすぎていて、一般人の代表とも言えるデヴィッドの恋人ミリーは振り回されっぱなしであり、舞台の設定を緩いものにしてしまっている。上映時間も短めだったので、それならあと30分継ぎ足して、もっと細部を固めればよかったように思う。

救いなのは、この作品の中だけでは解明されていない謎がたくさんあって、もし続編が作られれば、その辺りを膨らませられる余地があることだ。ジャンパー能力のメカニズムはミステリアスなままだし、ジャンパーを抹殺しようとするパラディンという組織も謎だらけだ。劇中では、パラディンとジャンパーとの戦いが中世からあったとされているし、デヴィッドが5歳のときに家を出た母親も、パラディンの一員なのだ。

キャストは、主人公デヴィッドを初期3部作でアナキン・スカイウォーカーを演じていた、ヘイデン・クリステンセン。グリフィンはジェイミー・ベルという人で、『崖っぷちの男』では演じる主人公の弟役だった。パラディンのリーダーが、。そして、ラストにちょこっとダイアン・レインがデヴィッドの母役として出演している。

関連記事

メッセージ

メッセージ(ネタバレあり)

世界各地12ヶ所に、宇宙船と思しき謎の物体が飛来。しかし宇宙船は、その場に留まったままで何を

記事を読む

フリー・ガイ(ネタバレあり)

フリー・ガイ(ネタバレあり)

フリー・シティは、サングラスをかけた男女が強盗や破壊などの行為が許される社会だった。銀行員の

記事を読む

タイム(2011年)

近未来。遺伝子操作により長寿が可能になった人類は、25歳以降は労働により稼いだ時間を通貨とし

記事を読む

ガンヘッド(1989年)

無人島のロボット建設工場を司るマザーコンピュータ「カイロン5」が、2025年に人類に宣戦布告

記事を読む

パッセンジャー

パッセンジャー(ネタバレあり)

地球から120年かけて他の惑星に移民するべく、宇宙船アヴァロンは航行。しかし、人工冬眠機器の

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑