シークレット・ポリスマンズ・サード・ボール+6
アムネスティ・インターナショナルを援助する目的で行われているイギリスのチャリティショウ、シークレット・ポリスマンズ。その87年のライヴを中心にしている映像が、『The Secret Policeman Third Ball』だ。複数のアーティストが出演していて、各組1~2曲が収録。爆音は自重され、シンプルなアレンジでの演奏が中心になっている。
個人的に非常にありがたかったアーティストの演奏がいくつかあって、まずはケイト・ブッシュ。「動く」ケイトを観たのはこの作品が初めてで、曲は『Running Up That Hill』なのだが、あのクリスタルヴォイスが錆び付くことなく瑞々しく響き渡っていた。デイヴ・ギルモアがギターで参加し、決して上手とは言えないコーラスをこなしているのも微笑ましい。続いてはルー・リードで、『Tell It To Your Heart』『Voices Of Freedom』の2曲が収録。決して派手ではないのに存在感があって、ユッスー・ンドゥールがコーラスをつけていたり、ピーター・ガブリエルがピアノを弾いていたりと、かなり豪華だ。
マーク・ノップラーとチェット・アトキンスによるインストの『Imagine』も出色の出来で、そして最後を締めるのはピーター・ガブリエルの『Biko』。ルーやジャクソン・ブラウンもコーラスで参加している。87年以外にも、79年や81年の映像も少しではあるが収録されている。79年からはピート・タウンゼントやトム・ロビンソン、81年からはフィル・コリンズやドノヴァンだ。
87年の方でジャクソン・ブラウンの姿があったということは、この人も何曲か演奏していたと思われ、それが収録されていないのが少し残念。しかし、なんと言っても衝撃的だったのはケイト・ブッシュで、もし彼女が現在もこの声を維持できていて、フェスティバルに出演でもしようものなら、その場に居合わせた人は大きな衝撃を受けるに違いない。
関連記事
-
-
ジェネシス(Genesis)『Archive Vol.1 1967-1975』
ピーター・ガブリエル在籍時代のジェネシスのボックスセットが、1998年にリリースされている。
-
-
ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)『Secret World Live』
ピーター・ガブリエルが1992年にリリースしたアルバム『Us』に伴うツアーより、1993年に
-
-
The DIG Special Edition ジェネシス(Genesis)
2014年にイギリスBBC放送でジェネシスのドキュメンタリー番組が制作・放送され、黄金期のメ
-
-
ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)『So 25th Anniversary Collection』
ピーター・ガブリエルのアルバムで商業的に最も成功したのが、1986年リリースの『So』だ。ヒ
-
-
ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)『Growing Up Live』
ピーター・ガブリエルは、2002年に10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Up』をリリース。そ
- PREV
- オアシス(Oasis)@東京ドーム
- NEXT
- オアシスファンショップに行ってきた

