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アントマン&ワスプ:クアントマニア(少しネタバレ)

アントマン&ワスプ:クアントマニア(少しネタバレ)

アントマンことスコット・ラングは、自身の半生を振り返り、自伝を発表。アルバイトをクビになった前科者の中年男が、アベンジャーズとして世界を救った数奇な運命を振り返りつつ、今の使命はよき父親であることと自覚していた。娘のキャシーは、ハンクの研究に興味を持ってミクロよりも小さな量子世界にアクセスするマシンを開発。しかしマシンが暴走してしまい、スコット、ホープ、キャシー、ハンク、ジャネットの5人は量子世界に吸い込まれてしまう。

5人は二手に分かれてしまい、以前量子世界にいたジャネットはホープとハンクを伴い、かつての同志クライスラーを頼ろうとするも決裂。一方、スコットとキャシーは住民たちに捕らえられるが、外の世界から来たことがわかって解放される。征服者カーンがこの世界に高度な文明を築いて支配し、彼らはカーンの支配から逃れたレジスタンスだった。ジャネットとカーンは、かつてこの世界を脱出しようと協力していたが、カーンの精神にシンクロして殺戮の所業を知ったジャネットは、ピム粒子を膨張させて脱出艇の動力コアを起動不能にしていた。

アントマン』単体としては3作目になり、・シネマティック・ユニバースとしてはフェーズ5の1作目とされている。フェーズ4のキーになる概念「マルチバース」を継承しつつ、時間を操ることのできるヴィランのカーンが登場することもあって、次なる『アベンジャーズ』に直結する作品とのことだ。

前作『アントマン&ワスプ』で描かれていた、ジャネットがいた頃の量子世界は、凶暴で得体のしれない生物だけが生息する、太陽がない漆黒の世界だった。それが、本作では日中帯が存在し、草木が生い茂る森林もある一方、カーンが築いた超未来都市が繁栄している。また、この世界にも元から知的生物がいたことがわかり、必ずしも人間の姿形をしていない異形の生物たちの方が多く、まるで『スター・ウォーズ』だ。サイズ的にはミクロよりも小さな世界だが、パラレルワールドとはまた別の概念での宇宙がある。

スコットのポール・ラッド、ホープのエヴァンジェリン・リリー、ハンクの、ジャネットのは、もちろん前作から続投。本作でのキーパーソンはふたりだと思っていて、うちひとりがジャネットだ。今回は舞台のほとんどが量子世界で、彼女がかつて飛ばされ30年暮らしていた世界になり、カーンとも出会っている。勝手知ったる何とやらで、5人によるチームを実質的に指揮している。彼女のかつての同志クライスラーは、だった。

もうひとりのキーパーソンはキャシーで、1作目では6歳の子供だったのが、本作ではティーンに成長。序盤で警察にやっかいになっているのをスコットが迎えに行くシーンがあって、まさかグレた?と一瞬どきっとするが、アントマンスーツの機能を使い人助けをした結果だった。父スコットを慕う気持ちは、もちろん変わらない。大人4人の足手まといになることなく動き、機転も利く。彼女が加わったことにより、チームは3世代構成になった。『名探偵ピカチュウ』に出演していたキャスリン・ニュートンが演じていて、『エンドゲーム』からは演者が交代している。

ほんとうは、もうひとりのキーパーソンとしてカーンを挙げるべきなのだが、「時間を操る」という強大な能力が、本作だけではよくわからなかった。描かれた能力は、両手からビームを発する、ワームホールを作って移動する、程度に留まっていて、それらはこれまでのMCU作品でも描かれている。ジョナサン・メジャースという人が演じているが、これまで目立った実績も見当たらず、この人誰?ほんとうにヴィラン?という気持ちがどうしても拭い去れなかった(ただ、MCU出演を機にブレイクした俳優は数多くいるので、今後化けるかもしれない)。

しかし、ミッドクレジット(エンドロールの中間に挿入される映像)、ポストクレジット(エンドロールの後の映像)を観る限り、やはりカーンの存在は大きいようだ。そしてワタシは未見だが、カーンはあるキャラクターのドラマ版で既に登場しているそうで、そこへのつながりも暗示している。

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