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アジャストメント(2011年)

アジャストメント(2011年)

上院議院有力候補のデヴィッドは、エリースという女性ダンサーと短い間に立て続けに出会い、そしてお互い惹かれ合う。しかし、運命調整局の者がデヴィッドにエリースとは一緒になれないと言い、特殊な能力によって2人が会おうとするのを妨害。しかしデヴィッドは諦めることなく、ひたすら彼女を探し奔走する。

この作品には恋愛ドラマとSFの2つの要素があって、どちらに比重を置いて観るかで感想は大きく変わる。ワタシがもともとこの映画を観ようと思ったのは、フィリップ・K・ディックの短編を原作にしていると聞いたからで、つまりまるっきりSFモノとして観た。

運命を司り、人類を運命の書の通りに動くよう調整する調整員の存在が、とてもユニークだ。街中のドアというドアを開けて物理的な空間をまたぐように移動し(まるで「どこでもドア」だ)、近距離であれば超能力と思われる力を使うことも可能。しかし、調整員も完璧ではなく、ミスをしたりどこか抜けていたり、と、なかなか憎めない。

デヴィッドをマット・デイモン、エリースをエミリー・ブラントが演じている。まるでラガーマンのようにいかつい体をしていて乱暴者だが、エリースに対しては一途でひたむきな青年を好演している。エミリー・ブラントは、有坂来瞳に似てるなあと思いつつ(笑)、ダンスの場面は素晴らしく、ダンサーあがりの女優ではと思ったほど。しかし実際はダンス未経験で、この作品のために特訓を積んだとのこと。そして、後で調べてわかったのだが、「プラダを着た悪魔」で最初にメリル・ストリープの秘書をしていた人だった。「プラダ」ではアン・ハサウェイの引き立て役のような損な役回りだったが、ここでは堂々としたヒロインぶりである。憎めない調整員ハリーは、アンソニー・マッキー。ハリーの上司リチャードソンは、ジョン・スラッテリー。2人はサム/ファルコン役、トニーの父ハワード・スターク役で、・シネマティック・ユニバースの常連となる。

巷の評判は必ずしも上々というわけではないが、個人的には「ソーシャル・ネットワーク」に並ぶ、2011年に観た作品のベストだ。SFというのは、何も未来や宇宙、発達したテクノロジーが必須なわけではないと、ワタシは思っている。現代の現実世界を舞台としつつ、そこに非現実の要素をうまく織り交ぜながら物語をうまくみせていく、そんなSFがあったっていいはずだ。「エターナル・サンシャイン」「きみがぼくを見つけた日」も、ラヴコメではなくSFファンタジー映画だと思っていて、ここ数年のワタシの趣向はこうなんだなと、再認識させてくれた作品だ。

劇中及びエンディングに、リチャード・アシュクロフトの曲が使われていた。

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