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ヴェノム(ネタバレあり)

ヴェノム(ネタバレあり)

サンフランシスコ。敏腕だがクセが強いジャーナリストのエディは、宇宙開発に進出する一方で人体実験を行っていると噂されているライフ財団リーダーのドレイクを取材。すると圧力がかかり、雇い主からはクビを言い渡され、恋人とも別れてしまう。あるとき財団の科学者に呼び出されて実験施設に入り、黒いタール状の生命体シンビオートに寄生されてしまう。

エディは頭の中にもうひとつの声が聞こえるようになり、性格は凶暴になり、食欲が旺盛になり、奇行が目立つようになる。やがて財団の追手に自宅まで踏み込まれるが、そこで両手から黒いタールが伸びて振り払う。エディは何が起こっているか認識できず戸惑う中、もうひとつの声が言った。『アイ・アム・ヴェノム』と。

コミックで、の敵の代表格であるヴェノムを主人公にした作品だ。実写映画では、サム・ライミ版の3作目に登場している。とにかく中盤まではグロくて、こんな気持ちの悪い主人公は『ザ・フライ』以来だと思いながら観ていた。それが、ヴェノムの自我が現れてからはコミカルなノリも入ってきて、エディとの関係性は『ド根性ガエル』のひろしとピョン吉のようになってくる。

予告編を見たときは、エディがヴェノムに寄生され追われているだけのようにしか見えなかったので、戦うべき敵はいるのか、それともただただ逃げるだけなのか、と、よくわからなかった。しかし後半、もうひとつのシンビオート「ライオット」がドレイクに寄生することで、対立構造ができあがると共に、シンビオートの目的も明らかになる。

舞台がサンフランシスコで、市街地で繰り広げられるカーチェイスは、臨場感に溢れている。この街といったら坂というイメージがあって、『アントマン&ワスプ』と同様効果的に使われている。エディが契約していた会社は超高層ビルだったが、あのビルもサンフランシスコにあるのかな、それとも別撮りかな。

キャストは、エディに。『ダークナイト・ライジング』以降すっかりマッチョ俳優になってしまったが、ココでは普段着のときは着やせしているように見える。元恋人アンは、ミシェル・ウィリアムス。吹替版では中川翔子が声をあてているが、見た目が微妙に似ている。ドレイクはリズ・アーメッドで、個人的にはこの人が出演している作品を結構観ている。『ナイトクローラー』『ジェイソン・ボーン』『ローグ・ワン』などだ。

今作はマーベルスタジオではなくソニーピクチャーズ制作だが、エンドロール中にもおまけ映像が流れる。エディは取材で刑務所服役中の男を訪問するが、その男はやがて宿敵カーネイジになるらしい(演者はウディ・ハレルソン)。また、エンドロールの後にはスパイダーマンのアニメが流れるが、この世界ではピーター・パーカーは亡くなっていることになっている。

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