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レディ・プレイヤー1(ネタバレあり)

2045年、オハイオ州コロンバス。スラム街のトレーラーハウスで暮らさざるをえない人々の多くは、オアシスと呼ばれる仮想現実世界に幸せを求めていた。オアシスの創始者ハリデーは、自身の死に際し、オアシス内に隠したイースターエッグを獲得した者に全遺産を授けるとし、獲得のための3つの鍵を求めてゲームが繰り広げられていた。

17歳の少年ウェイドは、アバター「パーシヴァル」としてゲームに参加。オアシス上での仲間と共に、3つの鍵獲得を目指していた。一方、世界有数のIT企業IOIは、オアシスの管理権を目指して参加者を送り込んでおり、また社長ソレントはパーシヴァルの正体を探ったり大金で釣ろうとしたりして、ウェイドたちの前に立ちはだかる。

予告編や監督のスティーヴン・スピルバーグ来日などで既に話題になっているが、ゲームやアニメなどの多くのキャラクターが登場する。日本からはキティちゃんやメカゴジラ、そしてガンダムが。小説の原作を映像化するのは権利関係で到底ムリと思われていたが、スピルバーグが監督ならと、多くのキャラクターが許諾したようだ。エンドロールでのスペシャルサンクスがやたらと長く、その中には当然サンリオとサンライズの名前もあった。あと、コンサルタントの肩書きでマシ・オカの名も。

3つの鍵を得るためのゲーム、ひとつ目はカーレースで、パーシヴァルはデロリアンに乗り、共闘するアルテミスは「AKIRA」の金田のバイクに乗っている。バットモービルも確認できた。そして、鍵を獲得するのはパーシヴァルだが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」のビフとマーティーとのレースに掛かっている。

ふたつ目のゲームは映画がらみで、作者が嫌っていた作品というヒントから、スティーヴン・キング原作でスタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」が舞台になる。双子の女の子、廊下が血の海、迷路など、元を知っていればいるほど楽しめる。3つ目は70年代のテレビゲームで、ワタシはさすがにコレは知らなかった。

劇中流れる音楽は、70年代から80年代洋楽ロックで占められる。ヴァン・ヘイレン『Jump』にはじまり、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ビー・ジーズ、、ジョージ・マイケルなどを経て、エンドロールではホール&オーツの『You Make My Dreams』となっている。アルテミスをアバターにしていたサマンサが着ていたTシャツは、ジョイ・ディヴィジョン『Unknown Pleasures』のジャケットに見えたんだが・・・。

全編鮮明画質だったが、とりわけオアシス内のCGのクォリティの高さはすごかった。ハリウッド実写映画で、大画面でCGガンダムを観られる日が来ようとは。充実した仮想現実世界を提示した作品では「マトリックス」を思い浮かべるが、今作はゲーム要素を濃くする形で、別世界の提示に成功している。

現実世界での積み上げられたトレーラーハウスに多くの人が住むという世界観も、設定としてアリかなと。ただ、こうしたワーキングクラス的な住民の対極には、少数の富裕層が必ずいるはずで、その存在がほとんどIOI社に集約されてしまっていたのが、強いて言えば少し物足りなかった。

キャストは、ウェイドにタイ・シェリダン、サマンサにオリヴィア・クック。若き2人の今後の飛躍が楽しみだ。ウェイドの仲間トシロウは、森崎ウィンというミャンマー出身で日本で活動する俳優しているミャンマー人。アバター「ダイトウ」は、三船敏郎を模している。ハリデーと共にオアシスを作り、後に袂をわかつことになったモローは、サイモン・ペグ。ハリデーとモローの関係性が最後に生きてくるのだが、これはアップルコンピュータを創業したスティーヴ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックの関係性に倣っているはずだ。

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