*

フィリップ・K・ディック『ゴールデン・マン』

フィリップ・K・ディック『ゴールデン・マン』

SF作家フィリップ・K・ディックの短篇集で、6本の物語から成っている。注目は、表題作の「ゴールデン・マン」と「小さな黒い箱」の2篇だ。

「ゴールデン・マン」は、映画「ネクスト」の原作。ワタシは映画の方を先に観ていたのだが、原作を読んでびっくり。主人公に予知能力があるということ以外、ほとんど関連がないのだ。原作は近未来で、予知能力を持つ主人公もミュータントという設定なのだが、映画は現代で、ニコラス・ケイジ演じる主人公はさえないマジシャンになっている。恐らく映画の方は、原作をアイディアのひとつとしただけだったのだろう。

「小さな黒い箱」は、マーサー教という宗教にかかる話で、根拠もなく怪しそうというだけで政府に敵視されるというお話。この「マーサー教」、映画「ブレードランナー」の原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」でもピックアップされていて、終盤では主人公デッカードがマーサー教と一体になるという描写がある。そのくだりは読んでよくわからなかったのだが、「小さな黒い箱」を読んでもやはりよくわからないままだった(汗)。

他の短篇は、妖精が出てくるまさかのファンタジーなどがある。読んでいってさあこれからというときに、突然終わってしまうアップダウンの感じは、短篇ならではだろうか。

関連記事

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

戦争によって汚染されてしまった地球にて、人間は細々と生きながらえており、一方で火星への移住が

記事を読む

クローン(2001)

未来都市。優れた科学者のスペンサーは、医師のマヤと幸せに暮らしていた。あるとき、スペンサーは

記事を読む

PKD(フィリップ・K・ディック酒場)

PKD(フィリップ・K・ディック酒場)

神田にある早川書房本社1階のカフェが、SF作家フィリップ・K・ディック仕様になっているとのこ

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑