*

桐島、部活やめるってよ(2012)

公開日: : 最終更新日:2016/11/05 作品

桐島、部活やめるってよ(2012)

その年の日本映画賞を総ナメにし、しかもそれが大作でもド派手でもない学園モノときた。さて、いかほどの傑作なのか・・・。と、かなり期待値を上げて臨んでしまった。

うーん。

これは、ハマる人とハマらない人がいるのだろう、きっと。そして、ワタシはハマらない人だ。

バレー部キャプテンの桐島が、突然部活をやめた。数日学校にも来ず、連絡もつかない。バレー部員、友人、ガールフレンドなど、桐島と直接関わっていた生徒の日常は、微妙にバランスが崩れる。そして、桐島の不在に全く影響されない生徒ももちろんいる。

桐島は、「ただ」部活をやめただけだ。「ほんの数日」連絡がつかなくなっただけだ。事故死や重罪を犯して塀の中に入っているなど、極端にショッキングな出来事があったわけではない(少なくとも、不在中他の生徒からこれらを危惧する発言はなかったと思う)。それなのに、周囲は同じ高校生に極端に依存してしまうものだろうか。連絡がつかなかった桐島が学校に来たと言って、極端に大騒ぎするだろうか。ワタシはココに違和感があった。

桐島は、スポーツができて、恐らくは勉強もできて、バレー部員だったのだから恐らく背も高くて、女にモテモテだから恐らくカッコいいのだろうと思われる。その桐島は、劇中一度も登場しない。これは、正直言って予想していたし、またそうあってほしいとも思った(桐島ではないかと思われる生徒のシルエットが後半に登場するが、断定はされていない)。

結局、桐島のことを描きたかったのではなくて、桐島の周囲にいる、桐島になれない、またはならない生徒たちを描きたかったのだろう。

前半は、同じストーリーを視点を変えて何度も描いている。このアプローチは、「エレファント」で観たことがある。キャストは、桐島に影響されない映画部員山田に神木隆之介、桐島の親友に宏樹に東出昌大、桐島のガールフレンド梨紗に山本美月、彼女のグループのかすみに橋本愛。いずれも、次代を担う若手たちだろう。

女子グループのひとりに、沙奈という子がいる。はっきり言えば「イヤな女」だ。宏樹と付き合い、桐島と付き合っている梨紗と親しくしていることにステータスを感じ、周囲を見下す発言をすることもある。ただ、観る側に「イヤな女」と思わせるということは、沙奈という役と、彼女を演じている子(松岡茉優という人だった)のシンクロ率が、最も高かったとも言えるはずだ。

関連記事

イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(ネタバレあり)

1951年。数学者アラン・チューリングの自宅が荒らされた。アランは警察の取り調べを受ける中、

記事を読む

カサブランカ(1942年)

第二次大戦中、フランス領モロッコの街カサブランカ。連合軍がドイツ軍から逃れてアメリカに渡るた

記事を読む

サン・オブ・ゴッド

サン・オブ・ゴッド(ネタバレあり)

イエスは12人の使徒と共に教えを説き、立つことすらできなかった女性の足を直し、カゴを掲げただ

記事を読む

ナイトクローラー(ネタバレあり)

ナイトクローラー(ネタバレあり)

鉄を盗んで売っているルー。あるとき自動車事故に出くわすが、現場を撮影するカメラマンを見て触発

記事を読む

SAFE / セイフ

SAFE / セイフ(2012年)

元ニューヨーク市警のルークは、八百長がらみの格闘家になっていた。あるとき負けるはずの試合に勝

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑