*

プリンス(Prince)『パープル・レイン(映画)』

公開日: : 最終更新日:2024/07/06 DVD・映像

プリンス(Prince)『パープル・レイン(映画)』

ミネアポリスの人気クラブ、ファーストアベニューにて、ステージに立つキッドとザ・レボリューション。キッドは両親の不仲、バンド内でのトラブル、ライバルのザ・タイムとモリス・デイとの対立などのゴタゴタを抱えつつ、夢と成功を追い求める。そんなところに、成功を求める女性アポロニアが現れた。

クラブでのザ・レボリューションの演奏シーンは、どれも圧巻だ。がしかし、劇中ではキッドとレボリューションは問題児扱いで、ザ・タイムの方が幅を利かせていることになっている。やがてアポロニアもトリオとしてデビューすることになり、キッドはクラブのオーナーからは明日ダメだったらクビだと宣告される。アポロニアともめた挙げ句、家に帰ると、父親が拳銃で自殺未遂をしていた。

ぼろぼろになり、窮地に追い込まれたキッド。起死回生となったのはやはり音楽であり、父が書き留めていた楽譜、及びバンドメンバーのウェンディとリサによるデモからひとつの曲を仕上げ、ステージにて『Purple Rain』を演奏して喝采を浴びる。まさに、典型的なサクセスストーリーといえる。

プリンスが主演した映画で、同名のアルバムとシンクロして大ヒット。プリンスがキッド、プリンスの父と母を役者が演じている以外、ほとんどのキャストが実名で登場。内容も、プリンスの自伝的な要素が強いとうたわれた(今となっては、そのうたい文句もプロモーションの一部とわかるが)。リサとウェンディが書いたことになっている『Purple Rain』は、実際にはもちろんプリンスが書いた曲。そればかりか、ザ・タイムも、アポロニアも、ほとんどの曲がプリンスの手によるものだったはずだ。

ワタシはこの映画をリアルタイムで劇場で観て、その後テレビ放送されたのを観て、そしてDVDを入手。時間が経過してから、自分が歳をとってから観ることで、以前観たときには気づかなかったことに気づく。ストーリー上は、プリンスがクライマックスで逆転しめでたしめでたしという感じだが、夢の実現のためにデビューしたばかりのアポロニアは、結局どうなったのかというツッコミをしたくなる(笑)。

自伝的であろうとなかろうと、プリンスの演技にはやはり注目だ。両親の喧嘩で家庭内でも落ち着くことができず、涙を流すプリンス。あのプリンスが、泣いている!また、プリンスは当時1961年生まれとされていたこともあり、公開時はキッドは20代前半の設定と思って観ていた(実際は1958年生まれ)。今回観て思ったのは、キッドはもう少し若い、ハタチ前くらいの設定ではないだろうかと。大人でもなく、と言ってもちろん子供でもない。だから「キッド」なのでは、と思う。

関連記事

プリンス(Prince)『Sign ‘O’ The Times』

プリンスが監督及び主演している『Sign 'O' The Times』のDVDを観た。

記事を読む

プリンス(Prince)『Rave Un2 The Year 2000』

プリンスが1999年11月にペイズリー・パーク・スタジオで行ったライヴのDVDを観た。タイミ

記事を読む

プリンス(Prince)『パープル・レイン(DVD特典映像)』

ワタシが購入したコレクターズエディションのボックスには、映画本編とは別に特典映像ディスクがあ

記事を読む

グラフィティ・ブリッジ(映画、1990年)

クラブ「グラム・スラム」を経営し、自らもステージに立つキッド。別のクラブを所有するモリスは、

記事を読む

プリンス(Prince)『Live At The Aladdin Las Vegas』

2002年12月に行われた、プリンスのライヴDVDを観た。この年プリンスは、前年にリリースし

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑