*

突撃(1957年)

突撃(1957年)

第一次大戦中の、とあるフランス軍の戦線。ダックス大佐の隊はドイツ軍への無謀な突撃を命じられるが、失敗。その責任を誰かに負わせるため、兵士が3人選ばれる。形だけの軍法会議にかけられることを察知したダックスは、元々弁護士の経歴もあって上層部に立ち向かう。しかし訴えは退けられ、3人は銃殺刑になることが決まってしまった。

敵との戦いではなく、自軍内部の軋轢を描いた作品。全編モノクロで、アクションを求めすぎると非常に地味に思えてしまうが、人間の保身や正義感とはなんぞやということを考えさせられる、心理サスペンスとして観れば興味深い。上官は昇進をちらつかされたあまり無謀な指示を出し、そのことに悪びれる様子もない。対するダックスも、一見するとクリーンな正統派のように見えるが、しかし自分が楯となってまで3人の部下を救うことはなかった。

監督は。ダックスをカーク・ダグラス(の父)。2人はほぼ同年代で気心の知れた仲だったらしいが、脚本をめぐって両者は不仲になったとのことだ。また、ラス前で兵隊を前に女性歌手が歌うシーンがあるのだが、この女性は後にキューブリック夫人になる人とのことだ。

関連記事

キューブリックに愛された男

「キューブリックに愛された男」を観た

スタンリー・キューブリックに関わるドキュメンタリー映画だが、映画制作とはまた別のところでキュ

記事を読む

スパルタカス(映画・1960年)

紀元前70年代のローマ帝国。鉱山で強制労働を強いられていた奴隷の青年スパルタカスは、資質を見

記事を読む

『スタンリー・キューブリック(シリーズ 映画の巨人たち)』を読んだ

映画監督スタンリー・キューブリックの、人物像や作品世界について書かれた書籍を読んだ。

記事を読む

時計じかけのオレンジ 完全版(小説)

スタンリー・キューブリック監督による劇場公開作品が有名だが、実は原作の小説があって、読んでみ

記事を読む

博士の異常な愛情(1964年)

米ソ冷戦時代。アメリカ軍のリッパー将軍が突如ソ連への核攻撃を指示し、基地にたてこもる。巻き込

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑