『tokyo melody ryuichi sakamoto』4Kレストア版を観た

1984年。32歳の坂本龍一と当時の東京を捉えたドキュメンタリー映画、『tokyo melody ryuichi sakamoto』。今回公開されている、4Kレストア版(フィルムを修復しノイズを除去して高画質化を実現)を観に行ってきた。
時期的には、前年YMOが散開となり、ソロアルバム『音楽図鑑』をレコーディングしているタイミングだ。結構な頻度でタバコを吸っていて、チェーンスモーカーだったのではと思ってしまう。セルフプロデュースなのか、自らコンソールを操作し、またコンピューターに接続したキーボードで演奏する。
そのコンピューターに挿入しているのが、恐らく8インチの初期フロッピーディスクだ。個人的には3.5インチは業務で使ったことがあり、その前の5インチまでは見たことがある。この映像で見るディスクは、でかいでかい。坂本は録音した音源を種類ごとにディスクに記録し分けていて、その数600種類と言っていた。
本作のもうひとつのテーマである東京だか、原宿歩行者天国や秋葉原、駅の改札で駅員が切符を切る光景など、すべてではないがワタシはぎりぎり体験している光景だった。今の秋葉原はアニメとゲームとパソコンの街というイメージだが、この頃は家電販売のド派手な看板が並ぶ街だった。駅の改札は現在は自動改札やICカード入場だが、人力での対応が懐かしい。
リムジンの後部座席に乗る坂本は、当時はまだ珍しかったであろう自動車電話で通話していた。冒頭では、レーザーガンの形状をした音の出る機器に耳を傾けていた。そのときそのときの最新技術を、音楽関連に限らず積極的に取り入れていたと思われる。
YMO散開コンサートの映像が断片的に挿入されたり、『戦メリ』のデヴィッド・ボウイとのシーンが流れたりと、見覚えのある映像もちょくちょく出てくる。そうした中、終盤で矢野顕子とのピアノ連弾で『東風』を弾くシーンが圧巻だ。カメラは坂本よりも矢野の方を多く捉えていて、矢野は楽しそうに弾いていた(当時ふたりは婚姻関係にあった)。
本作はフランス人スタッフによって制作され、スクリーンには英語の字幕が入っていた。この状況も、また稀有だ。
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