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レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)再び

Led Zeppelin『How The West Was Won』

解散してもなお影響力を失わず、そればかりか数年周期で大きくフィーチャーされるロックバンドが、いくつか存在する。ビートルズ、カーペンターズ、ビーチ・ボーイズ(正しくは解散ではなく「分散」だろう)、ドアーズなどがそうだと思うが、忘れてもらっちゃ困るのは、なんと言ってもレッド・ツェッペリンだ。

ツェッペリンは、ジョン・ボーナムの死によって1980年に解散。その後、ライヴエイドやアトランティンクレコードの記念コンサートなどで再結成ライヴを行っていたが、再評価の決定打となったのは90年にリリースされた4枚組のボックスセットだ。ほぼ全曲集に近いヴォリュームと未発表曲の付与は、レコードからCDへと媒体が移行しつつあった当時にあって、以後のボックスセットのあり方のプロトタイプにもなったと思う。

93年にはジミー・ペイジがデヴィッド・カヴァーデイルと組んで、ツェッペリンを思わせるサウンドを構築。日本限定となったライヴでは、『Rock ‘N’ Roll』『In My Time Of Dying』といったツェッペリンナンバーも演奏された。翌年には、突如ロバート・プラントとジミーが合体。MTVアンプラグドに出演し、アルバムをリリースし、そしてツアーも行った。2000年にはジミーはブラック・クロウズとツアーし、ライヴアルバムもリリースしている(来日公演も予定されていたが、あえなく中止に)。

そして今回、90年のボックスセット以来、そして解散後最大となるかもしれないアイテムがお目見えする。72年のライヴを収録した全18曲150分にも渡る3枚組ライヴと、ライヴ映像を多数収録したDVDが同時にリリースされるのだ。特に映像は、これまではマジソン・スクエア・ガーデン公演を収録した映画『The Song Remains The Same』以外にはほとんど世に出ておらず、まさに待ちに待ったという感じだ。

もしボーナムの死という悲劇がなかったら、という想像をたまにすることがある。今のストーンズやエアロスミスのようになっていたか、それともザ・フーやKISS、ディープ・パープルのようになっていただろうか。実際はツェッペリンの時計は80年で止まったままなのだが、進化しない代わりに風化することもない。そんな稀有なポジションを占めているように思う。

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