パール・ジャム(Pearl Jam)『20』を劇場で観た

パール・ジャムのドキュメンタリー映画、一週間限定公開も今日が最終日。春先のフー・ファイターズの映画は結局見逃してしまったので、今度こそはと今日観に行ってきた。
まず、最初に不満を書いてしまおう。映画はほぼ時系列で進むのだが、時折2006年のイタリアでのライヴ映像が何度か挿入される。この映像、正規版としてリリースされているDVD『ライヴ・イン・イタリー2006』からの引用なのだ。未発表や未リリースならともかく、まさかキャメロン・クロウ(監督)がおおっぴらに使いまわしをするとは。また、『vs.』リリース後スターダムにのし上がり、メディアの加熱ぶりが尋常ではなくなってきたときの描写がチープで、ここで少し醒めてしまった。この箇所は、劇場公開作品としては完成度が低いと思わされる。
さて、毒を吐き終えたところで(笑)、やはりこの作品は貴重な映像が満載なのだ。1989年に当時ロックジャーナリストだったキャメロン・クロウがシアトルを訪れるところから始まり、前身バンドのマザー・ラヴ・ボーンのライヴ、フロントマンの死後マイク・マクレディやエディ・ヴェダーが揃って、パール・ジャムとしての活動がスタート。その後、アルバムリリースと怒涛のツアーを経て、短い間に彼らはどんどん巨大化し、周囲も変わってくる。
ニルヴァーナのカート・コバーンからの批判を経ての和解、カートの死、チケットマスターとの裁判、ニール・ヤングとの邂逅、2000年ロスキルドの悲劇など、バンドを語る上で欠かせない要素はだいたい網羅されている。ナレーションはなく、メンバー自身の口から当時の様子や心境が語られる。ストーン・ゴッサードの自宅訪問、マイク・マクレディによるドラマー史、映画『シングルス』プロモーションのためのライヴ(バンド側から「ひどかった」と認めている)など、観ていて飽きることがない。95年に初来日しているが、新幹線での移動の様子など、少しではあるがその様子が流れている。
クリス・コーネルが、自身もサウンドガーデンとして活動しつつ、マザー・ラヴ・ボーン/パール・ジャムのよき理解者としていい味を出している。エディにとって、クリスは兄貴分のような存在だったとのこと。そして、92年MTVビデオミュージックアウォードの舞台裏で、カートとエディが組んで踊るシーンがある。同じ時期に同じ都市シアトルからスターダムに躍り出たバンドのフロントマン同士、言わば好敵手だが、同時に境遇を同じくする者として、心を通わせることのできる存在だったに違いない。少し泣ける。
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