Summer Sonic 2000 Vol.7 Green Day







私は当初、SS2000のラストはティーンエイジファンクラブにするつもりでいた。が、あのステージ2にもう1度戻る気にはとてもなれず、そのままステージ1に居続けることにする。そしてコチラのトリはグリーンデイ。新作発表を直前に控えての出演である。








 ウィーザー以降、縦割りで窮屈なステージ1のブロック内も後方まで人が埋まりつつある。陽もゆっくりと傾いていく中、いよいよ始まった。『Welcome To The Paradise』~『Hitchin' A Ride』という流れ。ビリー・ジョーは真っ赤なTシャツ。そしてマイクスタンドを自分で持って、ステージ上を右に左に移動。移動した先で拳を振り上げ、オーディエンスを熱狂の渦に陥れる。大阪でのマンサンはは今ひとつだった(らしい)が、富士急でのポールの煽りようは、グリーン・デイのライヴを見様見真似でいただいてしまったんじゃ、とも思えるほどだ。


 セットリストこそ98年3月のときとあまり大差ないが、野外ステージという環境を最大限に活用し、暴れまくるビリー。ミネラルはまくは、写真は撮るは。懐中電灯でオーディエンスを照らし、やがて上に向けて夜空まで照らす。更にはステージを降り、モッシュピットに突入。ファンのひとりが持っていた旗を受け取り、ステージに舞い戻る。





ギターヒケルヤツ?






 あ、やる気だな、と思った。オーディエンスからギターを弾ける人を募り、ステージに引っ張りあげるのだ。やがてスタッフがステージ上に現れ、改めてビリーのことばを通訳する。再びステージを降りるビリー。そしてモッシュピットは騒然となる。


 果たして、ひとりの若いお兄さんがステージ上に。自分の名前をマイクに向かって大きく叫び、ビリーと身振り手振りでコミュニケーションをとる。そしてワンコードに徹して弾き出した。なかなかやるじゃん。すぐそばで彼にじっと視線を送り、弾き終えると拍手するビリー。そしてなななななんと、その兄ちゃんにぶちゅー(笑)とやってしまった。あはは。


 そうした和んだ雰囲気をブチ壊したのは『Basket Case』のイントロ!やったぜーーー!この2日間、とにかくストレス溜めまくりでイライラしっ放しだったが、この瞬間にそんなもやもやは吹っ飛んだ!コイツらはやっぱり凄い。やっぱりヤる。全てを飲み込まんばかりのこの勢い。全てを飲み込まんばかりのこのエネルギー。


 しかしこれだけでは終わらない。今度はギターをスタッフに渡してステージ右側に向かうビリー。歩く。なおも歩く。そしてなんと、ステージに隣接している中継用のバスの屋根によじ登る。屋根の上に立ち上がり、両手を突き出すビリー。更に、なんとそこからダイブ!大丈夫かビリー。そして下にいたオーディエンスは大丈夫だったのだろうか。しっかし、ムチャクチャやりよるなあ(笑)。








 本編は午後8時過ぎに終了。ここで全てが終わったとしても、誰も文句の出ない状態だったろう。出口に向かって歩く人も多い。だけど・・・、ヤツらは出てきた!土下座して感謝のお礼をするビリー。夢は、まだ続く・・・。


 『When I Come Around』。来たよこの曲が。オリジナルよりもずっとヘヴィーに、ずっとラウドに。そしてこの重厚さは、今の私たちの心にズシリと響く。そしてこの後、突然3人がステージ上で暴れ出す。ドラムセットは壊すは、マイクスタンドは叩きつけるは、鉄柱によじ登るは、最後の最後だしもうやりたい放題。壊したドラムセットに向かってダイヴするトレ。大丈夫なのだろうか。


 こうした一連の騒ぎも済み、スタッフが片付けを始める中、ビリーひとりがステージに残る。直立不動。そして静かに歌い出す。『Good Riddance(Time Of Your Life)』。夢の終わり。幕引き。ありがとうビリー。素晴らしい時間を、ありがとう。

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(2000.8.23.)
















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