Summer Sonic 2000 Vol.6 Weezer







合羽を取りに行くため、セットチェンジの時間を利用して駐車場に向かう。私のクルマが駐車してあるところはステージ2に近いのだが、すれ違う人が多すぎて思うように歩けない。ステージ2はくるりからタヒチと続くライヴで満席~入場規制となっていて、そのタヒチも終わり、ウィーザー見たさにステージ1に向かう人が多かったためだ。








 そのウィーザー。96年の初来日ではリキッドルームで終演後になんとリヴァースが階段を降りて来て大混乱状態となり、97年のフジロック参戦は台風直撃のため中止に。そして今回はそれ以来の来日だ。日本ではいつのまにかヴェールに包まれた神秘的な存在となり、私自身にとってもこれが初の生ウィーザーである。


 メンバーがステージに現れただけでもの凄い歓声が上がる。そして1曲目から場内総モッシュ状態。いったいどれほど多くの人が彼らを待ち望んだことか。そしてそれは私も同じ気持ちだ。フジロック'97の2日目組は、中止の後ことごとく単独来日を果たし、私は中止の無念を振り払うように会場に足を運んだ。プロディジー、グリーン・デイ、ベック、そして今は亡きシーホーセズ・・・。しかし、彼らは来なかった。それどころか何のニュースも伝わって来ない。いったい彼らはどうしてしまったのか。


 『Pinkerton』以来、まる4年アルバムを発表していない。しかしその哀愁を帯びたギターフレーズは、そしてはかなさを感じさせるリヴァースの歌声は、私たちを震わせる。決して美形とはいえないリヴァース。まるで大学生のような格好で、その辺を歩いていてもプロのミュージシャンだと気付かれなさそうな(笑)リヴァース。しかしこの男が発するエネルギーは場内をこんなにも熱くする。そしてその熱気は、曇天すら追いやってしまった。


 大ヒット曲にしてバンドの顔でもある『Buddy Holy』。今まで幾度となくライヴのハイライトを飾ってきたであろうこの曲は、今この場においても私たちを焦がす。台風で泥とゴミにまみれてしまった3年前の天神山。カオス。廃墟。それを目の前にしてただ立ち尽くすしかなかった無念の想い。あれから3年。ここ富士急ハイランドは、何の因縁かその天神山から何キロも離れていない。私にとっては、この3年間ずっと引っ掛かっていたフジロック'97の悪夢が、ここに来てやっと晴らされた瞬間でもあったのだ。








 ベン・フォールズ・ファイヴは、なにげに3年連続の来日だ。98年はフジロックで、99年は単独で。そして今回。そのいずれもが違う呼び屋で、このことに私は今後のフェスティバル開催へのかすかな希望を持っている。 ピアノの鍵盤を叩く音が場内に気持ちよく響き、職人のような貫録を見せるライヴ。しかし、ステージ上に用意されたウッドベースは、なぜか結局1度も使わずじまいだった。JB以外はきっちり時間通りに始まり、時間通りに終了するSS2000。終演後のセットチェンジには、なぜかほうきを持ってステージを掃除する(笑)ベン・フォールズの姿があった。











(2000.8.23.)
















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