Fuji Rock Festival'01/Day 1-Vol.2 Mo Solid Gold/Travis







あくまで個人的になのだけど、去年辺りから音楽雑誌やレコード会社といったメディアが推す、期待のニューカマーなるバンドにはピンと来なくなってきていた。この厳しい世の中にあって、そうそう毎年毎年期待のニューカマーが現れてたまるものか。メディアが売り出したいバンドを右から左へと享受するのではなく、自分にとってどんな音やどんなアーティストが真に切実なのかを、試されているようにも思えた。


なぜこんな能書きを垂れているのかというと、モ・ソリッド・ゴールドのライヴを観れるのがほんとうに楽しみだったからだ。オーシャン・カラー・シーンのオープニングアクトを務めて好評を得たという彼ら。果たしてその実力は如何に!?


レッドマーキーのステージ向かって左のほぼ最前近くまで行く。バンドは5人組だが、なんと言っても黒人ヴォーカリストKの存在感が凄い。長身でスリムな体型。声は太くて伸びがあり、やたらに通る。そして特筆すべきはそのステージアクションだ。単に手拍子をしてオーディエンスをのせて行くだけではない。縦横無尽に動き回り、長い手足を駆使して踊り、ターンを決める。この身のこなし、ミック・ジャガーやプリンスを彷彿とさせる。


音のほうはKが放つブラックのテイストと、他のメンバーによるUKロックのテイストがうまく混合し、ありそうで実はなかったスタイルが出来上がっていると思う。特にサビになったときの爆発力が凄い。UKロックといえば、偉大な先人ビートルズやローリング・ストーンズも、デビューしたての頃は黒人アーティストのカヴァーが中心だったのだ。この混合度合いは異形のようでいて、実は正統派に位置するのではないか。私はTVKの番組でたまたま彼らのPVを観、それでフジで観ることを決めたのだが、観れてほんとうによかった。きっかけなんて、どこにあるかわからない。





3日間あるフジロックの初日というのは準備の日でもあって、ここで1度会場を離れ、荷物を持ってホテルに行き、チェックインの手続きをとる。苗場プリンスホテルは主催者やアーティストも宿泊するので、もしかしたらホテル内で誰かに会えるかもしれない。


ホテルの部屋でひと休みし、再び会場へ。ただ、会場の外にも出店やグッズ売り場があるので、そこで買い物をする。会場内のグッズはアーティストものが中心だが、こちらはフジロックオリジナルのもの。会場内の売り場ほど人が混んでおらず、5分も並ぶと買うことができた。その付近には、翌日ホワイトステージに出演するイースタンユースの面々がたたずんでいた。





今年のフジロックはほんとに豪華なラインナップになったが、それを改めて痛感する最初のときが来た。今年のレディングにトリとして出演することが決定しているトラヴィスが早くも登場。新作のトップでもある『Sing』でスタートする。ヴォーカルのフランはとさかのようなヘアスタイルだ(笑)。


私が最も聴いているのはファーストなのだけれど、そのときは結構ハードなギターバンドだったトラヴィス。それが以後シフトチェンジし、『The Man Who』からはメロウな曲が中心になっている。そしてそれによって、本国で"国民的バンド"なる称号を得るに至ったのだろう。ステージはほとんど『The Man Who』『The Invisible Band』からの曲になった様子で、特にアコースティックギターの音色が映える格好になった。私個人としては、英国人が国民的バンドとして迎え入れるところのニュアンスが今ひとつわからないのだけれど、染み入るような演奏は、ここ日本でも確かな足跡を残したに違いない。

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(2001.8.2.)
















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