Fuji Rock Festival'01/Day 1-Vol.1 Joey Ramone/KEMURI/Dropkick Murphys







思ったほど日差しが厳しくない初日の朝。入場ゲートが開くのは朝8時だが、10分ほど遅れて入場すると、グリーンステージの後方には早くもかなりのテントやタープが張られていた。今年は人の入りも上々のようだ。そして、以後更に度合いが増すと予想できる混み具合からして、グッズを買うタイミングはこのときしかない。8時20分にグッズ売り場に向かう。既に人の列ができていたが、売り場のオープンは朝9時とのこと。しかし9時になっても売り場はオープンせず、そのうちだんだん日が昇り、じわじわと暑くなってくる。


やっと売り場に入れたのが10時半頃。グリーンからはテーマ曲『田舎へ行こう』が流れ出す。いよいよ今年も始まるんだな、という感慨には耽っていられなかった。入場については改善されていたが、ここグッズ売り場は今までとほとんど変わらない。テントの数も少ないし、売る人の数も不足している。増して今年は出演アーティストの数も過去最高で、その分Tシャツも増えている。混乱の度合いは増す一方だ。暑い中を並んで待つのも大変だが、ほとんど休む間もなく、そして文句ひとつ言わずフル回転で売っている人たちも大変に違いない。並んで待つ人の列は2日目の夕方まで慢性的にできていた。この状態は絶対に改善すべきだと思う。結局私がグッズを買い終えたとき、時刻は午前11時を差していた。


グリーンでは今やお馴染みとなった日高社長からの挨拶があり、その中で先日亡くなったジョーイ・ラモーンに対する追悼の意も述べられていた。生前ジョーイと交流のあった人がステージに立ってスピーチ。ここまでは私はグッズ売り場にいたため、聞こえてくる音だけでしかわからなかった。やっと売り場を抜け出すと、無人のステージの中央上部にはラモーンズのエンブレムマークが掲げられていた。そしてラモーンズの『Blitzkrieg Bop』が流される。ラモーンズは既に解散しているし、ジョーイはもうこの世にはいないけれど、音楽を愛したジョーイの魂は永遠に生き続ける。この極東の島国でも。そしてもちろん、フジ・ロック・フェスティバルでも。





KEMURIはフジロック出演経験のある日本のバンドだが、グリーンは初見参となる。ステージ前はすごい人が集まっていて、ライヴの最中に更に増殖。管楽器が野外ステージ映えすることは既に何度も体験済みだが、彼らもその期待を裏切らない。スカのリズムが心地よく、ヴォーカルの人は歌いながら飛び回り、そして1曲終わるごとにMC。自然に囲まれた素晴らしい舞台に、集まったオーディエンスに、ことばを噛み締めるようにして語りかける。ライヴで出てない年は客として来てます、とのこと。シーナ&ロケッツも'99のときは客として観に来ていたし、日本のアーティストにとってもフジロックは自分が楽しみたい特別なイベントになりつつあるんだなあ、と思った。





続いてはボストン出身のドロップキック・マーフィーズ。昨夜の前夜祭で既に演奏している働き者だ。ボストンというと私が真っ先に思い出すのはエアロスミスなのだが、アイルランド移民が最初に移り住んだ地でもあるのだそうだ(パンフレットより引用)。パンクロックの現代版のような音にからむのは、これまた野外が似合い過ぎるバグパイプの音色。フェスによってそのよさを知るバンドというのが毎年あるのだけれど、彼らもそのひとつに数えることができると思う。ステージ前はまたもやすごい人が集まっていて、初日の朝からこんなんで3日間もつのかいなという、余計な心配までしたくなってしまう(苦笑)。


(2001.8.2.)
















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