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ペイヴメント(Pavement)『Terror Twilight: Farewell Horizontal』

公開日: : 最終更新日:2023/02/14 Pavement , ,

ペイヴメント(Pavement)『Terror Twilight: Farewell Horizontal』

2000年に解散したペイヴメントが、2022年から(恐らく期間限定で)再結成し、ツアーをおこなっている。ツアー開始に先立ち、99年リリースのバンドのラストアルバム『Terror Twilight』のデラックスエディションがリリースされた。ワタシが所有しているのは、CD2枚組になる。

ディスク1は、オリジナルのリマスター版にボーナストラックを加えた21曲入りになっている。が所有するエコースタジオでのテイクなどがある中、注目は完全未発表曲『Be The Hook』の初出だ。曲のクオリティが決して低かったわけではなく、メンバーによると、単に忘れて漏れてしまっただけとのこと。

ディスク2はデモテイクやライヴ音源になり、その多くが未発表音源だ。23曲中9曲が「SM Demo」、つまりはスティーヴン・マルクマスによるデモテイクだ。ヘナヘナの脱力感がトレードマークのようなバンドだが、この時点ではスティーヴンのアーティスト志向が強まっている。

本作制作において、バンドのキャリア上はじめて外部のプロデューサーとしてナイジェル・ゴドリッチを招いている。ナイジェルは、時間軸的には『OK Computer』『Mutations』をプロデュースしたのと前後して本作に取り組んでいることになり、スティーヴンは若いが実績のある人材としてナイジェルを起用したと思う。

オリジナルのタイトルは『Terror Twilight』だったが、今回の再発では『Terror Twilight: Farewell Horizontal』と改変されている。直訳すると、「恐怖の黄昏」が、「恐怖の黄昏、そして最後の夜明け」となった。本作は、ペイヴメントのラストアルバムであると同時に、スティーヴンのソロアルバムの序章にもなっていると思われ、それが「夜明け」の意味するところではないかと思う。

再発において、アナログ盤やストリーミングサービスでは、ナイジェルがセットした曲順になっているそうだ。

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