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プラトーン(1986年)

公開日: : 最終更新日:2020/11/07 ウィレム・デフォー ,

プラトーン(1986年)

ベトナム戦争中の1967年。アメリカ人のテイラーは、大学を中退し自ら志願してベトナムまでやってきた。しかし戦地は過酷を極め、配属されたその日に自分の決断を後悔する。テイラーが配属された隊では、正義感の強いエリアスと力にものを言わせるバーンズとが対立。やがてベトナム兵との戦いの中、バーンズはエリアスを撃ってしまう。

テイラーをチャーリー・シーン、エリアスを、バーンズをトム・ベレンジャーが演じ、また同じ隊には当時はほぼ無名だったの姿もある。監督はオリバー・ストーンで、自らベトナム出兵経験があることも宣伝文句となり、翌年のアカデミー作品賞を受賞している。

ウィレム・デフォーは「ストリート・オブ・ファイヤー」「スピード2」「スパイダーマン」などでの悪役のイメージが強いが、ここではクリーンな役柄で、改めて観るととても新鮮。トム・ベレンジャーはここではどうしようもない悪だが、この数年後に「メジャーリーグ」に出演し、イメージ転換に成功している。チャーリー・シーンは、この作品をきっかけにスターダムにのし上がっている(父は俳優のマーティン・シーン)。

作品の宣材ポスターやDVDのジャケットになっているのは、バーンズに撃たれて傷ついたエリアスが、ベトナム兵の追っ手から逃れるために森の中を走りぬけ、それでもついに背中から撃たれて絶命してしまうその直前のショット。あまりに象徴的で、公開から30年以上経っても色褪せることなく、インパクトを放っている。

この作品は劇場公開からさほど間を置かず観ているのだが、その後何度か繰り返し観ているうちに、少し見方が変わった。テイラーがエリアスの仇としてバーンズに復讐する場面など、正義感に満ちていたはずのテイラーが、戦争の狂気の中に飲み込まれてしまったことの表れではないか。そして戦場では自分の力だけが頼りとするバーンズの姿勢も、戦争における向き合い方のひとつとしては成立するのではないだろうか。

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