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ジョジョの奇妙な冒険 第2部:ジョセフ・ジョースター

公開日: : 最終更新日:2020/07/24 マンガ版

ジョジョの奇妙な冒険 第2部:ジョセフ・ジョースター

第1部から50年後の1938年が舞台で、ジョナサンの孫ジョセフが主人公。現在は「戦闘潮流」という副題がついている。

ジョセフは、祖母エリナ(ジョナサンの妻)とニューヨークにいるところ、スピードワゴンが死亡したという話を聞かされメキシコに赴く(結局生存が確認)。スピードワゴンは石仮面と柱の男の研究に携わっていたが、ナチスドイツも絡んでおり、やがて柱の男が蘇生。とナチス将校シュトロハイムで倒すも、まだ3人の柱の男がいることがわかり、ジョジョはヨーロッパに渡ってシーザー・ツェペリと会い、リサリサのもとで波紋の修行を受けて柱の男に立ち向かう。

ジョナサンはひたすらまっすぐな人だったが、ジョセフは相手の心理を図り、数歩先を読む頭脳戦に長けている。時には「逃げる」という、およそ主人公らしくない選択もするが、それは戦いの放棄ではなく、次なる戦いのための準備なのだ。シーザーは第1部のツェペリの孫であり、父は柱の男を研究していて因縁が浅くない。一見チャラそうだが、その魂は熱く、特にジョセフに後を託した最期は、祖父ウィルを思い起こさせる。

3人の柱の男は実は人間を超えた生物で、休眠を経て1万年以上も生き続け、その戦闘力は人間を遥かにしのぐ。3人の長カーズは、戦闘力を究極まで高めるための道具として石仮面を作り、その能力を最大限に引き出す「エイジャの赤石」を求めた。彼らに対抗しうるのは波紋を会得した人間だけで、赤石を代々守り続け、この時代ではリサリサが保持している。

第1部でディオを吸血鬼に変えた石仮面が、実はカーズによって作られたことがわかる。そして、この第2部終盤でカーズはついに赤石を奪取し、自ら石仮面をかぶってついに究極生物になってしまう。少なくともこの時点では、カーズはディオを凌ぐ人類最大の脅威となっていた。最期はジョセフとシュトロハイムの必死の抗戦によってカーズを宇宙に押し出すものの、スケールのでかさがハンパじゃない。

主人公ジョセフの設定こそ、第1部のジョナサンとキャラを区別するためにややいい加減でやる気なさげにしているが、第1部第2部に一貫しているのは、相手が誇り高き戦士であるとわかれば、敵味方を問わず敬意を表するという美学がある。チンピラだったスピードワゴンはジョナサンと出会ったことで生き方を変えたし、柱の男ワムウはシーザーにもジョセフにも敬意を払った。こういうマンガ、ほかにあるかな。

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