*

ブラック・レイン(松田優作)

公開日: : 最終更新日:2021/03/18 ブラック・レイン ,

ブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション

劇場用作品としてはの遺作になった『ブラック・レイン』は、この人にとっては全てではなく、ハリウッドへのほんの名刺代わりの作品だったはずだ。癌に冒されていながらも撮影に臨んでいたが、本人は癌は治療できるものと思っていたらしい。それがここで途絶えてしまったのは、本人にとってどれだけ無念なことだったろう。

しかし、優作に関わった俳優たちは、その遺伝子を受け継いでいる。現在ハリウッドで活躍する日本人俳優は、優作が作った轍を歩んでいると、ワタシは見ている。『ブラック・レイン』を見直してみて、あれこの人が出ていたんだと思ったのが、國村準だ。今や味のあるベテラン俳優として活躍しているが、ココでは優作の部下役として、銃をとり走り回っていた。撮影の合間でも優作とは映画や演技の話ばかりしていたと、國村は語っていた。

今ではよく知られていることだが、ラストシーンは2パターン撮影されている。当初は、演じるニックと格闘の末、優作演じる佐藤は死ぬという設定だった。それが、優作のキャラクターが想定以上に光ったため、続編を作るべく(ハリウッドらしいな)生かすという案も上がり、2種類を撮影したとのこと。結果は後者が採用されたが、おクラ入りになったはずの前者は、優作の死後フライデーかフォーカスかに写真が掲載された。そのショットは今回のDVD特典映像でも紹介され、コメントされている。

ワタシは、音楽関連のDVDは数多く買って所有しているが、音楽に関連しない映画をDVDで買ったのは、現時点では『ブラック・レイン』だけだ。映画については、劇場で見るか、テレビで放送されたのを録画して観るかのどちらかにしている。おカネを出して入手し、棚に保存し所有しておきたいと思うのは、自分にとって特別な作品だからである。そして、この作品を特別たらしめているのは、やはり松田優作が命を賭けて臨んだ作品だからだ。

関連記事

アナザーストーリーズ 運命の分岐点「松田優作“ブラック・レイン”に刻んだ命」

事件や特定の人物など、その裏側に隠されたもうひとつの物語を追うドキュメンタリー番組、「アナザ

記事を読む

ブラック・レイン(特典映像)

『ブラック・レイン』は1989年公開だが、ワタシが買ったDVDは2006年リリースで、恐らく

記事を読む

ブラック・レイン(1989年)

ニューヨーク市警のニックは、同僚のチャーリーとレストランにいたところ、日本人やくざ佐藤による

記事を読む

ブラック・レイン(日本人キャスト)

特典映像はアメリカ側からの撮影秘話で、日本人でインタビューを受けていたのは高倉健だけだった。

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑