極悪レミー（2010年）

レミー自身はエルヴィス・プレスリーやビートルズなどを音楽のルーツと言い、ジミ・ヘンドリックスにクスリを渡す役だったそうだ。レコードショップでビートルズのモノラルボックスを買うシーンは、なんだかほのぼのしている。

メタリカとはステージで共演し、デイヴ・グロールとはスタジオでレコーディング。ワタシがレミーを知ったのは、デイヴが自身のメタル趣味に乗じて作った『Probot』が最初だが、デイヴが自然な形で一歩引いてレミーを立て、コラボレーションしているのがなんとも言えない。

エピソードとして極めつけなのが、ダムドのキャプテン・センシブルのコメントだ。ダムドのベーシストが急遽脱退してしまい、レミーに共演を依頼。レミーは難なくOKし、シャレでABBAの曲までやったとのこと。ステージではダムドの曲もモーターヘッドの曲も演奏したが、レミーがダムドを完璧にこなしたのに対し、ダムド側のモーターヘッドがグダグダだったとか(笑)。

ヘヴィーメタルの起源は、実はブラック・サバスではなくモーターヘッドだというコメントもあった。モーターヘッドのデビューは1975年で、サバスよりは遅い。がしかし、その音楽性はメタルとパンクの双方の要素を備えた、90年代以降のラウドロックの源流にあるのではと思う。