マット･ディロンやブリジット･フォンダが出演した青春映画のサントラ盤(監督はキャメロン･クロウ)で、舞台はシアトル。ラヴモンガーズは、ハートのアンとナンシーのウィルソン姉妹(曲はレッド･ツェッペリンのカヴァー)。ジミ･ヘンドリックスも、実はシアトルの出身なのだそうだ。パールジャムの2曲はいずれもオリジナル未収録で、『Breath』はバンド結成以前の曲。『State Of 〜』は、エディが映画にインスパイアされて書いた曲だ。更にストーン、ジェフ、エディの3人はバンドメンバー役として映画にも出演している。

　同名映画のサントラ盤で、映画は死刑囚と彼を支えるシスターを軸に、死刑執行のあり方を問うという内容。実際に使われたのは4曲だが、監督のティム･ロビンスは映画の資料を自分が好きなアーティストに送り、共鳴したアーティストたちが新たに書き下ろしたことでアルバムが出来上がった。エディはパキスタンのヌスラット･ファテ･ハーンと組んで、2曲を提供。『Face Of Love』はワールドミュージック風の仕上がりだが、エディとヌスラットの異種格闘技戦的な緊張感が漂う曲だ。『Long Road』は、ニール･ヤングと組んだ『Merkin Ball』に収録されている曲。

　コソボ難民の救済を目的として作られたアルバム。ニールやブラックサバスといった大御所から旬なアーティストまで、豪華な顔ぶれが揃った。ほとんどが未発表バージョンまたは新曲で、パール･ジャムの2曲はどちらもカヴァーで、特に『Last Kiss』はアルバムの顔的な役割を果たしている。個人的には、ウォールフラワーズの『Used To Be Lucky』がベスト。ジェイコブ･ディランの声は今よりもしわがれているように聞こえるが、これが情感こもった深みを感じさせる。

　「PVは作らない」宣言をしたバンドが放った映像作品は、『Yield』の制作風景を追ったドキュメンタリー。スタジオでのセッションシーンやメンバーのインタビューが中心で、5人がリラックスしながらレコーディングに臨んでいるさまが伺える。共同プロデユースには、｢あの頃ペニー･レインと｣｢バニラ･スカイ｣「シングルス」で監督を務め、ローリングストーン誌で執筆経験があるという、キャメロン･クロウが名を連ねている。ジャック･アイアンズの姿が拝めるのは、この作品だけとなる。

　2000年の夏から秋にかけて行われた、全米ツアーを収録したライヴ映像。各地の映像を曲毎につないでいて、「旅」を感じさせつつもひとつのライヴコンサートとして楽しむことができる。ロスキルドの悲劇を受けて解散か存続かを問われたバンドだったが、彼ら曰く「(解散という)選択肢はなかった」のだそうだ。ステージに立つバンドに湿っぽさはなく、むしろたくましさがみなぎっているように見える。『Given To Fly』では歌詞やMCを手話で伝える女性をステージに上げ、終盤『Rockin' In The Free World』では、少年を肩車しながら歌うエディ。日本盤は字幕スーパーで、MCは元より全曲の訳詩が映像と共に楽しめる。