ニューオーダーのファーストの1ヶ月前に発表されたアルバムで、未発表曲＋ライヴという変則的な構成ながら(発表時はLP2枚組だった)、それがジョイ･ディヴィジョンの運命を暗示しているようにも思える。『Sister Ray』は、音楽性を継承したと語られることの多いヴェルヴェット･アンダーグラウンドの曲。『Celemony』は、後にニューオーダーのデビューシングルとして日の目を見る。

　ニュー･オーダーの『Substance』に続く形で、活動停止から7年の時を経て発表された。シングル中心のベスト盤で、アルバム未収録曲多数。『Transmission』はスマパンがライヴで好んでカヴァーしていた曲。アルバムが独自の世界観の構築なら、シングルは瞬発力で勝負か。イアン･カーティスのvoは、曲により朴訥だったりシャウトし放題だったりしていて、多面性を見せている。

　ほぼ全曲集に近い、決定盤4枚組Box Set。Disc 1及び2はシングル及び2枚のオリジナルアルバムをリリースされた順にソートして配列。Disc 3はスタジオライヴや別バージョンを集めたもの。Disc 4は全曲未発表のライヴだ。イアン･カーティスはクラフトワークの大ファンだったそうだが、このDisc 4にこそジョイ･デイヴィジョンがニュー･オーダーへと変貌を遂げる、その萌芽を確認することができる。