Skunk Anansie 2000.2.17:Club Quattro

この日は会社を1日休みにしていた私。朝10時近くに目覚めるが、体の節々が痛い。そして疲れが抜けておらず、体全体がだるい。しかしこの痛みとだるさは、昨夜の衝撃のライヴが夢ではなかったことの証明に他ならない。午後には渋谷に向かい、開場15分前にクアトロ前に着いて列に並ぶ。


開場直後にダッシュ。前日と同じステージ向かって左側のカウンター席最前をゲットする。2日続けて同じ場所にいればスキンやエースが自分の顔を覚えてくれるかもしれない、などとどうでもいいことも考えてみる。前日は公演初日ということもあってか、VIBEを始めプレス関係の取材のカメラが多かったが、この日はほとんどなし。しかし、あのハプニングはもしかしたら昨日限りで、もう2度と起こり得ないかもしれない。さてどうなる?





予定より10分ほど遅れて客電が落ちる。サンダーバードのカウントダウンが進む中、オーディエンスの歓声のヴォリュームが増す。この日は最初に発表された公演で発売即完売になっていた。コアなファンが集結しているということなのか。メンバーがステージ上に姿を見せ、そのヴォリュームが絶叫へと変貌する。


口火を切って落としたのはもちろん『Charlie Big Potato』『Selling Jesus』のハードチューン2連発。スキンは豹柄のベストをまとい、黒のニット帽をかぶっている。例によって途中でその帽子を取り、顔面をあらわにする。昨日と変わることのないアクション。マイクスタンドを叩きつけ、ステージ向かって右のスピーカーによじのぼる。前日、私は不覚にも座ってこの出だしを迎えてしまった。この日は最初からTシャツ姿で万全を期して臨んでいる。やがてスキンはベストも脱ぎ捨て、お馴染みのノースリーブ姿に。


ステージは中央にスキン。向かって右側はbとバックvoのキャス。私のいる左側はgのエース。最奥にはdsのロビーという布陣である。エースのgには日本語で「福神」「エース」というステッカーが見える。「コンニチワ~♪」というスキンのMC。歌っているときはあんなにも激しいのに、普通にしゃべるときの声は綺麗で、そして弱々しい。プラス茶目っ気たっぷりの表情に、こっちの肩の力が思わず抜ける。と、ここで避雷針のような針が何本もついた球体を手にするスキン。手を近づけるとキュイーーンという電子音が響く。テルミンの一種?これがリフとなり『Weak』への繋ぎとなる。


しかし、この日はやはりオーディエンスのノリが段違いだ。ダイブも序盤からぼんぼんと発生。場内総モッシュなんて当たり前で、私の後方にも人が密集していて圧迫感が凄い。押されて足が椅子とカウンターのへりに当たって痛い。これらの状況が関係しているのかいないのか、ライヴの進行が、そして時間の経過がとても早く感じる。前日は1曲1曲が重くのしかかってくるような感じだったのに、この日は勢いが凄くって一気にクライマックスに突入せんばかりだ。


場内のテンポを落とし雰囲気を和ませる『Secretly』『You'll Follow Me Down』に差し掛かるまでがあっという間に感じられた。ああ、もうここまで来てしまったのか。もう後半じゃないか。もうすぐ終わっちゃうじゃないか・・・という、来て欲しいようで来て欲しくない瞬間が刻々と近づいてくる。














『The Skunk Heads』で本編が終了し、場内が暗転する。アンコールを求める拍手をここまで力強く叩いたことはない。そして、拍手をしないオーディエンスに対して殺意にも似た怒りを感じたのも初めてのことだ。何をぼさっと突っ立っとるんじゃボケ(笑)。もっとしっかり手ェ叩かんかいコラ(笑)。・・・と、そんなことを思いつつも両肩が痛い。上にかざして拍手をする腕がどんどん下に下がってくる。しかし、この拍手は止めるわけにはいかない。メンバーが再びステージに戻るまでは。














そして『We Love Your Apathy』で第二幕が開く。果たして前夜の再現はあるのか。それとも、会場や主催者側から警告が出されてこの日はナシなのか。スキンがステージ上を動き回り、左側、つまり私のいる側に寄って来る度に、大きく手を振ってジェスチャーする私。そして、問題の間奏に差し掛かった。























・・・スキンの足が止まった。コチラの様子をじっとうかがっている。























来い!























来い、スキン!















































眼光が、鋭く光った!



































口元が、かすかに微笑んだ。



































来るぞ!



































スキンがこっちに向かって来る!



































来た!



































スキンが、来た!



































カウンターのへりに手をかけるスキン。引っ張り上げる私。私の後ろの人も、そして周りも、手を差し出して引っ張り上げる。そしてそのままカウンターの上を歩き、前日と同じように場内の真ん中辺りまで足を進める。セキュリティがその後をついて行き、スキンが転倒しないように支えに入る。ここで曲が再開。シャウトするスキン。オーディエンスに向けてマイクを差し出すスキン。この素晴らしい瞬間。この永遠の一瞬。























 曲が終わり、ステージに戻ろうとするスキン。私の前をもう1度通り過ぎたとき、「Thank You」と声をかけてみた。私の声は果たしてスキンに届いただろうか。























スキンがステージに復帰して『Hedonism』。女のコがひとりステージに上がり、スキンに抱きつく。ダイブするオーディエンスにも手を差し伸べるスキン。なんだかもう何でもアリ状態になってきている。この後は例によって「バイバイ」と言ってステージを後にしようとする素振りを見せ、オーディエンスはそれを大拍手で引き戻す。







ここで最前の誰かがスキンに長袖のチビTを渡す。それを着てみせるスキン。袖を目一杯に伸ばしてなんとか着れた感じ。窮屈そうだ(笑)。胸にはドラえもんのプリントが。その格好に他のメンバーからも笑いが漏れる。そしてそのチビTを着たままでラストの『Little Baby Swastikkka』に突入。・・・やがて、全てが終わった。













(2000.2.19.)





































to be continued...





Copyright©Flowers Of Romance, All Rights Reserved.