Summer Sonic 2003/Day 1-Vol.2 Mew/Polysics/The Kills/Blink 182







ダットサンズのライヴが終盤に差し掛かったところで席を立ち、インドアに向けて移動。幕張メッセ構内はさすがに冷房が効いていて涼しく、ありがたい。しかしメッセ3番ホールのインドアステージ内は、この時間帯とは思えぬほど人が密集していた。そう、集まった人たちのお目当てはMew(ミュー)。あのアラン・マッギーが絶賛するニューカマーであり、個人的にも楽しみにしていたバンドだ。4月に既に来日公演を果たしており、今回も前日に渋谷HMVのイベントで多くのファンを動員するなど、人気急上昇の連中である。


 その冒頭が、いきなり『Am I Wry? No』だったから大変だ。イントロのギターリフが印象的で、ポップなメロディとまるで女の子のような「可愛い」ヴォーカル。ステージ後方には曲にリンクしたPVが流され、ステージ前方は早くも危険地帯と化している。だけど・・・、個人的にはあれ?こんなはずじゃ、という違和感を覚えていた。当人達はともかく、オーディエンスからは黄色い声援ばかりがやたら飛んでいるのだ。女性ファンがキャーキャー熱狂するのが悪いとは言わないけど、しかしもっとハードでもっとソリッドな連中だと思うんだがなあ。アイドルバンドでは終わって欲しくないんだが。





 ここでまたまた移動。今度は同じ幕張メッセでも、楕円形の形をした会場であるイベントホールに行ってみる。ココには第3及び第4のステージが、両端に設置されている。ソニックステージは洋楽アーティスト、ソニック/ファクトリーステージは日本のアーティストという振り分けになっていて、時間がかぶらないよう交互にライヴが行われるという、ユニークな形が取られている。


 入り口は一箇所で、開放されているのはアリーナのみ。スタンド席にいるのは関係者のみのようだ。場内は、代々木競技場をコンパクトにしたようなイメージで、思ったよりも狭い。ステージは両端に設置されてはいるが、あまり離れているようには感じなかった。このタイミングでココに来たのは、目的が2つあった。ひとつは夜のディーヴォに備えて場内の様子を確認し、出遅れて万が一入場規制に引っかかったりすることのないようシミュレーションをしたかったこと。もうひとつは、そのディーヴォを敬愛してやまない日本のバンド、ポリシックスを観るためだった。


 今回のサマーソニックは、茨城のロック・イン・ジャパン・フェスと日程がかぶっていて(こちらは日本のアーティスト中心)、両フェスをはしごするアーティストもいるようだ。この日アウトドアステージに出演したスカパラもそうだったし、このポリシックスもそうだ。私はもっとテクノ寄りでピコピコやってる連中なのかと思っていたのだが、実際はかなりハードでかなりラウド(後で知ったのだが、ドラムはサポートでスネイル・ランプの人だったそうだ)。耳をつんざかんばかりの爆音だ。更にはナックの『My Sharona』のカヴァーは演るわ、フロントの林くんはギターを弾きながらダイブするわで、かなり楽しめたのだった。





 食事をしようとメッセ1番ホールに行くが(1~3番ホールがインドアエリアで、1番が飲食及びお笑いステージ、2番が物販、3番がインドアステージという構成になっている)、どこのブースも長蛇の列になっていたため、断念。結局、メッセ常設の出店でおにぎりや焼きそば、たこ焼きなどを買って食べ、少し休んだ。そして再びインドアステージへ行くと、キルズの登場である。名前がスリルズと似ていてまぎらわしいが(笑)、向こうがバンドであるのに対し、こちらは男女2人によるユニットだ。


 男の方がギターを弾いているものの、軸になっているのは2人のツインヴォーカル。シンプルな音に、シンプルなたたずまい。そしてルーズでダルでモノトーンな音楽だ。女性の方は、時折タバコを吸いながらふらふらとステージ上を踊り、そのさりげなさもカッコいい。しかあし、正直言ってめちゃめちゃ眠かった(笑)。まるで催眠術のような音楽だ。





 ここで会場近くのホテルに行き、チェックイン。荷物を部屋まで運び、ちょっとひと休み・・・のつもりが、つい20分ほどうとうとしてしまった。インドアにいれば涼を取れるが、ちょっと外へ出たり動いたりすると、暑さがもろにこたえる。ただ、ひと眠りしたおかげで心身共に復活し(笑)、今度はアウトドアステージへ向けて出発。ホテルの前では、スカパラのメンバーが、大阪へ向けてバスに乗り込んでいるのを見かけた。千葉マリンは、朝はアリーナ直結だった入場口だが、このときは女性係員によるボディチェックを受けた後、スタンド席に通されるようになっていた。


 ステージは、ブリンク182のライヴ中だった。サマーソニック、もといクリエイティヴマンは、ラウドロックやポップパンク勢のアーティストをよく招聘している(と私は感じている)が、かと言って、過去参加してきたサマーソニックでは私はそうしたアーティストのライヴを観ることはほとんどなかった(まともに観たのは、グリーン・デイくらいかな)。さて、このブリンクはスリーピース編成。めちゃくちゃに暴れるやんちゃな小僧ども、という勝手なイメージを描いていたのだが、実際はラウドでありながらも音楽至上主義的な一面を見せる、演奏そのものにこだわったライヴのように感じた。














(2003.8.30.)
















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