Fuji Rock Festival'01 Day 1-Vol.4 Oasis







グリーンステージは、苗場になってから過去最高とも思えるくらいにたくさんの人が集まった。手拍子とオアシスコールが何度も自然発生しては消える。みんな、このときを待っていた。オアシスが野外ステージに立つのを。フジロックに出演するのを。





『Fuckin' In The Bushes』がSEとして流れ、いよいよ場内のヴォルテージが上がる。そしてついにメンバー登場だ!ノエルはGジャン姿。リアムもジーンズ地のシャツを着ていて、中国ものっぽい帽子をかぶっている。そして黄色いグラサン。どことなくジョン・レノンを彷彿とさせる。


『Go Let It Out』でスタート。タンバリンをしゃかしゃかさせながら歌うリアム。その向かって右でギターを弾くノエル。去年3月の来日のときはノエル側にいたアンディ・ベルは、今回は最も左のGEMとリアムの間に陣取っている。ステージ左のスクリーンに、この4人が横一列に並んでいるさまが映し出され、もうこれだけで壮観。野外でオアシスだよ~。フジロックでオアシスだよ~。ホントかよ~(笑)。


続いては『Who Feels Love』。もっかの最新作からだ。ブラック・クロウズと組み、5月から約2ヶ月に渡って行われた全米ツアーのときは、ドラムのアラン・ホワイトは指を骨折していて不参加。代わりに兄でありポール・ウェラーの盟友でもあるスティーヴ・ホワイトがスティックを握っていた。では今回は?スクリーンに映ったその姿を見る限りでは・・・、よくわからない(笑)。アランが復帰したようにも見えるし、違う人にもみえる。





曲はそのまま最近の作品ではなく、全米ツアー同様『Columbia』へとつなげられた。やっぱりアランじゃないのか・・・(でもアランなら当たり前だけど新旧叩けるはずという考えもよぎる)。ここはドラマーが誰かということより、初期の曲が中心になったセットリストもある意味今聴くと新鮮だよね、と気持ちを切り替えることにする。


今更繰り返すことでもないけど、オアシスの曲はみんなで歌える曲が多い。その気持ちよさと言ったらこの上なくいい。ここでのその最初の瞬間は『Morning Glory』だった。もしかして日本初では?そんなことはどうでもいいぜ(笑)。いったい何万人集まっているかわからないこのグリーンステージで、みんなでひとつの曲を合唱しているんだ。





初期の曲、日本初かあるいは超久々となる曲はまだまだあった。『Fade Away』に『Step Out』に『Slide Away』。それを、デビュー時からはすっかり様変わりしてしまった今のメンバーで演奏している。GEMもアンディ・ベルも、去年3月のときはほとんどスポットが当たらず、ひたすら地味な存在だった。あのときはバンドに加入したてということもあったのだろう。だけど今はもちろんお客さんじゃない立派なバンドの一員だし、彼らが活躍すればまだまだオアシスはスーパーバンドとして生き続けられるはずだ。


リアムは相変わらずのガニ股。腰を痛めるんじゃないかと見ている方が心配したくなるような体勢でマイクスタンドに立って歌っている。タバコと酒が原因なのか、声がガサガサだった(この日も『Cigarettes & Alcohol』は演奏した/笑)。むしろこのときはこれでも調子がよかった方なのかもしれない。高いキーで歌うことはもうないのかもしれないが、これもリアム。これもオアシスか。ファンはなぜか悟りの境地に達してしまう(笑)。





2度目の大合唱は『Acquiesce』。まずはリアムが歌い、サビのところでノエルにバトンタッチ。それを受け継ぐ形でギターを弾きながら歌うノエルの姿は、これまた感動的だ。合唱はまだまだ終わらない。『Champagne Supernova』『Don't Look Back In Anger』で攻め立てた後、本編ラストは『Live Forever』だ。


アンコールはあるのかないのかわからなかったが、ほとんど間を空けずにバンドは再登場。そしてラストは『I Am The Walrus』。ビートルズこそ最初のパンクだとインタビューで答えたことのあるリアムだが、その発言を裏付けるかのようなアレンジでの演奏。ギターソロを炸裂させるノエルは、演奏自体を楽しんでいるように見える。





他のメンバーが手を振るなどの挨拶をしてステージを後にする中、リアムはマイクスタンドをブン投げ、すたすたと歩いてステージを去る。最後に残ったのがノエルで、なんとも律儀にリアムが倒したスタンドをまた立たせ、外れたマイクを元の通りにつけ直す。そして自分で拍手し、手を振って挨拶し、ステージを後にする。


バンドはどんどんビッグになり、恐らくは取り巻く周囲の状況もめまぐるしく変わっていっただろうけど、この兄弟のたたずまいはバンドを始める前とあまり変わっていないんじゃないかな。あまりにも好対照なリアムとノエルのこのさまを見て、私はそう思った。ライヴトータルとしては多少ちぐはぐだったところは否めないが、曲が始まったときに発生する一体感と爆発力は、さすがオアシスだった。

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(2001.8.2.)
















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