Fuji Rock Awakening Vol.11 Rammstein / Elastica / Gomez







3日目はグリーンとレッドマーキーを何度も往復するのだが、その1回目。ドイツのラムシュテインというバンドである。前日の同時間帯のヨ・ラ・テンゴに比べると、テント内はかなり人が少ない。が、なんだか異様な雰囲気だ。フロントに立つvo、g、b辺りのメンバーは上半身裸。しかも凄い筋肉質だ。髪の色をシルバーにしていて、まるでアンドロイドのような風貌である。


そして暴れっぷりがまた凄い。ミネラルをまきまくるはマイクはブッ壊すはマイクスタンドもへし折るは、いやはや…。屈強の男たちで、ただ立っているだけでも威圧感ありありなのに。そして肝心の音はゴリゴリしたインダストリアルメタルのような感じ。太くて重い。これらのファクターが融合し、テント内はライヴというよりミサのような異様なムードに包まれている。そしてもっと驚くべきは、このムードを受け入れてしまっているオーディエンスだ。ここはほんとうに日本なのだろうか。でも、本国でライヴやったらもっともっとスゴイことになるんだろうなあ。








グリーンに戻る。実に5年ぶりとなるセカンドアルバム、そして来日も5年ぶりのエラスティカ。ジャスティーンのデーモンやブレットとのゴシップや、クラッシュの曲の盗作騒ぎで話題には事欠かなかったが、肝心のバンド活動の方はとんと音沙汰がなかった。90'sに現れたUKバンドの多くがことごとく壁にブチ当たり、解散に至った。エラスティカも同じ運命を辿るのか…という雰囲気が漂っていた。そのセカンドだが、日本で受け皿となるレコード会社がなく、フジロック開催時点では外盤のみの流通である(9月に日本盤が発売されることが決まりました)。


期待と不安が入り混じった中のステージだったが、とりあえずは2枚のアルバムの曲を交互に演奏する形でライヴは進む。ただ…、曲間にしゃべりすぎ。そして、ジャスティーンがしゃべっている間にkeyの女のコがしゃべり出して、結局何を言っているのかさっぱりわからない。こんな掛け合いやってるんならさっさと曲やってくれ、という感じで、私は観ていてかなりダレてしまった方だ。2日目のアニマルハウスではないが、「観れた」ことだけがよかったバンドになってしまった。








レッドマーキーに、今度はゴメスを観に行く。事前にファーストアルバムだけ聴いていたがのっぺりとしていてピンと来るものがなく、私はかなりがっかりしていた。こんなだったのかゴメスって。だから日本のレコード会社がプロモに金かけてくんないのか、とか思っていた。


ところがライヴの方は静寂さとスマートさがベースとなり、圧縮された妙な美意識が漂う雰囲気になっていて、観ていて結構好感を持った。これはバンドが発する魔力なのだろうか、それともレッド・マーキーが異空間と化していることの裏返しなのだろうか。











(2000.8.17.)
















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