Fuji Rock Awakening Vol.1 間寛平 with アメマーズ







雨はどんどん強くなってくる。たまらずバッグからポンチョを取り出して着る。確かに空は曇ってはいたが、まさか雨が降るとは思わなかった。あの1年目、フジロック'97の悪夢が頭をよぎる。ここまで強い雨が降るのはあのとき以来だ。場内は、主催者は、アーティストは、オーディエンスは、果たして大丈夫なのか。ちゃんと乗り切れるのか。


そんな状況の中、フィッシュボーンのライヴがスタートする。私は詳しくは知らないが、解散状態だったのがどうやら今年復活したらしい。ヒップホップというかスカというか、なにやらにぎやかな音で、そしてこれが勢いを持っている。ステージ前、それほど多くはないが人が集結。そして雨の中をモッシュする。なんとメンバーの1人がそのモッシュの中に突入!まもなくステージに戻るが、服が破れてる!もしかしてヤケクソなのか(笑)!?








グリーンステージを後にし、雨で既にドロドロになりつつある林道を通り、川を渡る。ホワイトステージではレピッシュが演奏中だった。私は通り過ぎただけだったが、コチラもスカサウンドで、場内は結構ノッていた。ステージの向きが去年とは変わり、山側を背にするように設置されていた。アヴァロンフィールドでお昼を摂り、"天国"フィールド・オブ・ヘヴンに向かう。このアヴァロンからヘブンに向かう道が最もぬかるみ具合がひどかった。天国のステージも、昨年とは向きが変わっている。


今年のフィールド・オブ・ヘヴンは間寛平 with アメマーズでスタートする。もともとは寛平ちゃんが自分が好きなパンクバンドを直撃し、その場で曲を作らせてオムニバスアルバムを作ってしまったのが事の発端なのだが、それが講じてフジロック出演にまで発展してしまった。


フジテレビ系のお昼の番組「ごきげんよう」に間寛平は出演したことがある。そこで寛平は「フジロックに出るんや~」と息巻いたが、出演者も会場にいる客も誰もフジロックのことを知らず、場は白けたのだという。平日の日中は私は仕事中だが、嫁さんからこのことを聞いて私の腹は決まった。





間寛平を見る。フジロックで見る。






間寛平はお笑い芸人であり、マラソンランナーでもあり、それなりのステータスを築き上げている芸能人だ。そしてもう50歳にもなった。なのに、ここへ来て新たな挑戦をするその姿は、まさしくロック以外の何物でもない。キワモノでも色モノでもない"ロッカー"寛平が、ヘヴンにはいるはずだ。





午後12時半。降りしきる雨が少しだけ弱くなり、アメマーズと寛平ちゃんが登場する。









今日のオレは、いつものオレとはひと味違うぞ~









いつもはアヘアヘやけど、今日はウヒハだ~









遠藤ミチロウを従え、グラサン姿で(この後オーディエンスの方に投げ入れてしまう)歌う寛平ちゃん。歌うというより吠えるといった方が近い。Tレックスの『20th Century Boy』をもじった『ジジイ』。「オレたちは21世紀のジジイだ♪」と歌う寛平ちゃんの姿は見ていて気持ちよかったし、そしてただただ嬉しかった。たった20分そこそこのライヴだったが、とにかく痛快だった。そしてライヴが終わると、また雨が強く降り出してきた。











(2000.8.9.)
















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