*

T2 トレインスポッティング(2017年)

T2 トレインスポッティング(2017年)

スコットランドのエディンバラ。かつて仲間を裏切って大金を持ち逃げしたレントンは、20年ぶりに帰郷。自殺しようとしていたスパッドを助け、シック・ボーイことサイモンと新たに店を出して事業を始めようとする。服役中だったベグビーは、ケガを装って警備の薄い病院に移り、脱走していた。3人の中では、ベグビーが最もレントンを恨んでいた。

1996年に公開された『トレインスポッティング』の約20年ぶりの続編になり、劇中の時間軸も20年が経過している。主要キャストはレントンは、ベグビーはロバート・カーライル、サイモン(前作では愛称の「シック・ボーイ」と呼ばれていた)はジョニー・リー・ミラー、スパッドはユエン・ブレムナーが、前作と変わらず演じている。前作で死んでしまったトミーの出演はないが、ベグビー以外の3人で弔うシーンがあった。

ユアン・マクレガーはあまり風貌が変わらず若々しいが、ほか3人は老けたり太ったりと年輪を重ねている。劇中では、ベグビーとスパッドには妻子があり、サイモンは流行ってはいないがバーを継いでいた。レントンはアムスデルダムで仕事し結婚もしていたが、離婚。そして、父から母の死を知らされる。前作でレントンと一度関係を持った少女ダイアンは、弁護士になっていた。20年という、時の流れを感じさせる。

20年経っても変わっていないのは、レントンのサッカー趣味、ベグビーの気性の荒さ、サイモンの女癖、薬物から逃れられないスパッド。ただ、今回スパッドは小説を書いていて、それはブルガリアから出稼ぎに来てサイモンと組んでいたベロニカの助言だ。彼女が本作でのヒロイン的存在になっていて、レントンにも理解を示している。

前作のシーンがあちこちに断片的に挿入され、はっとさせられる。ラストは実家に戻り自室でレントンがレコードをかけるが、それはの『Lust For Life』だった。前作では冒頭に流れていて、彼らの物語が一巡したことを伺わせる。

イギーは、と組んで2018年に『Teatime Dub Encounters』をリリースしている。パンクのゴッドファーザーとテクノのトップアーティストとのコラボレートには、当時違和感があった。ただ、『T2』の音楽監督がリック・スミスだったことをエンドロールで知り、この作品きっかけでふたりはつながったのかもしれない。

関連記事

トレインスポッティング(1996年)

スコットランド。青年レントンは、悪友たちベグビー、シック・ボーイ、スパッド、トミーとつるむヘ

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑