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A.I.(2001年)

A.I.(2001年)

近未来。ヘンリーと妻モニカのもとに、少年型ロボットの試作機デイビッドが送られる。ふたりにはマーティンという息子がいたが、不治の病のためコールドスリープが施され、目覚める保証はないとされていた。デイビッドは、モニカを母として一生愛するようプログラミングされる。

その後、マーティンが奇跡的に病を克服し帰宅。マーティンは、自分の方が優先して母に愛されるという力関係をデイビッドに示す。あるときデイビッドはマーティンの友人たちにからかわれ、振りほどこうとした腕がマーティンに当たり、水中に落としてしまう。モニカはデイビッドを家庭に居させ続けるのは難しいと考え、森に捨てる。森の中にはほかにも捨てられたロボットがいて、デイビッドは、女性を悦ばせる目的で作られ、殺人容疑をかけられて逃亡していたジョーと出会う。

作業用のロボットは既に日常的になっている時代設定の中、最新科学を駆使したより人間に近いロボットが、デイビッドでありジョーである。デイビッドは最初はロボット感丸出しで、モニカは拒否反応を起こしていた。しかし、マーティンの復帰が望めない状況もあり、彼女は少しずつ心を開いていく。デイビッドはプログラミング以降は感情を表現するようになり、ピノキオの物語を知って、自分も人間になりたいと願う。

終盤はなんと2000年後の世界になり、人類は既に死滅。人類が残した最新型ロボットだけの世界になっていて、停止していたデイビッドが再起動させられる。彼らは人類の文化に興味を持っていて、デイビッドのメモリーからヘンリーとモニカの自宅を再現。人間になりたいというデイビッドの願いはさすがに叶えられないが、DNAがあればモニカをクローンとして1日だけよみがえらせることができると言う。

デイビッドのそばに最後まで居続けた、テディというペットロボットが、モニカの髪を持っていた。テディはもともとマーティンのものだったが、旧式になったからとデイビッドに譲られていた。マーティンがモニカの髪がほしいとデイビッドをけしかけて切らせ(この件はモニカがデイビッドを捨てる一因にもなる)、そのときは後味の悪い描写だったが、最後に回収されたわけだ。

キャストは、デイビッドにハーレイ・ジョエル・オスメントで、おそらくこの人には一生この役がついて回る。ジョーはで、機械じかけ感に溢れた動きや目つきをこなしつつ、デイビッドとも仲良くなる複雑な役柄をこなしている。モニカはフランセス・オコナーという人で、調べたら『ハンター』に出演していた。

本作は、もともとはの企画だった。しかしキューブリックは1999年に死去したため、が引き継いで監督したとのこと。エンドロールでは、キューブリックに捧ぐという字幕が確認できる。

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