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松本零士の短編をアニメ化『ザ・コクピット』

公開日: : 最終更新日:2022/09/21 松本零士

ザ・コクピット

松本零士が『戦場まんがシリーズ』として発表していた、オムニバス作品集がある。約50編の短編が、当時は全9巻の単行本に収録されていた。このうちの3編がピックアップされ、『ザ・コクピット』というOVAとしてアニメ化されている。

『成層圏気流』
操縦の腕は一級だが、敵との戦闘を回避したことで汚名を着せられた、ドイツ空軍パイロット。原子爆弾輸送機を護衛する任務につくが、敵機を前にしたときにやはり輸送機を離れてしまう。軍からすれば命令違反も甚だしいが、このパイロットは空に魅せられ、自分がどこまで行けるのかを試したくなったのだ。

『音速雷撃隊』
太平洋戦争の末期、日本軍は「桜花」を開発。超高速で進む爆撃機だが、ひとり乗りで片道のみ、飛行距離には限りがあるため、敵目標に接近するまでは味方が被弾覚悟で護衛しなければならない。若い兵士が乗った桜花は米軍戦艦に突っ込むが、致命傷とまではならなかった。そのとき、広島に原爆が投下される。

『鉄の竜騎兵』
フィリピンで米軍と戦う、年配の日本兵。そこに若い兵士が合流し、サイドカーに機関銃を搭載したオートバイで、味方の基地を目指す。2人とも、基地が既に米軍に占領されていることに気づいているのに、それでも目指す。やがて年配兵が若い兵を振り落とし、米軍の機銃隊が待ち構える基地に向けて疾走する。

まず絵のクオリティが高く、制作が1993年と知って驚いた。確かに画面比は4:3だったが、リマスターされたと思われ、今観ても全然古くなっていない。

3編を通して登場する女性はひとりだけで、全体を包むトーンはかなり男臭い。しかし、戦争の大局とは別のところでの、名もなき男たちの熱いエネルギーが感じられた。敵対していても、その実力を認めた相手をリスペクトする姿勢があった。

ワタシは『戦場まんがシリーズ』全巻を入手することはできなかったが、いくつかは購入し、何度も繰り返し読んだ。よく知られている話は、『スタンレーの魔女』『わが青春のアルカディア』だ。松本零士の代表的なキャラクター、「キャプテン・ハーロック」の先祖が登場していて、このプロットは映画『わが青春のアルカディア』にも組み込まれていた。

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